脳梗塞再発予防のためのより良い抗血小板療法を目指して

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非心原性脳梗塞患者の脳梗塞再発予防として、急性期および慢性期ともに抗血小板療法が選択される.脳梗塞急性期ではアスピリンがもっともエビデンスが豊富で費用対効果も高く、広く使用される.しかし、アスピリンの脳卒中再発予防効果は大きくない.一方、近年のいくつかの臨床試験では、急性期のアスピリンとクロピドグレルの抗血小板薬併用療法(DAPT: dual antiplatelet therapy)がアスピリン単剤療法よりも脳卒中再発予防により有効であることを示している.慢性期の抗血小板療法は、出血合併症の点から極力、単剤療法にするのがよい.アスピリンはエビデンスが最も豊富であるが、アスピリンレジスタンスが問題となる.とくに、糖尿病などの血管リスクや末梢動脈疾患を有する場合、もしくはアテローム血栓症である場合はアスピリンの脳卒中発症抑制効果が不十分である可能性がある.また、アスピリンは他の抗血小板薬に比して、頭蓋内出血、消化管出血のリスクが高く、加齢、高血圧症、大量飲酒など頭蓋内出血の危険因子を有する場合や、消化管潰瘍の既往、非ステロイド性抗炎症薬内服、加齢などの潰瘍発生の高リスクがある場合は、アスピリンは避けた方がよいであろう.これらに該当する場合はクロピドグレルもしくはシロスタゾールを選択するのがよい.シロスタゾールは出血合併症が少ないのが特徴であるが、頭痛、頻脈などの副作用があり、すべての患者が内服を継続できるとは限らない.抗血小板薬の選択にはエビデンスに基づいてリスクとベネフィットを勘案しながら個々の症例に応じた対応が必要となる.
2014-01-31

脳梗塞再発予防のためのより良い抗血小板療法を目指して

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