ビフィズス菌由来β-L-アラビノビオシダーゼの機能解析(糖質関連酵素化学シンポジウム)
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概要
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われわれは,アミノ酸配列情報を基にBifidobacterium longum NCC2705由来の機能未知夕ンパク質BL0421が,アラビナンもしくはアラビノキシラン分解酵素であると予想した。そこで,BL0421の配列情報を基にB. longum JCM1217からクローニングしたhypBA2遺伝子を大腸菌で発現させた。組換えHypBA2とアラビナンを反応させたところ,遊離糖としてアラビノビオースを検出した。しかし,その構造はアラビナンにおいて主要なα-L-アラビノフラノシド結合ではなく,β-L-アラビノフラノシド結合をもつβ-L-アラビノビオース[β-Araf-(1→2)-Araf]であった。そこで,その構造を手懸かりとして真の基質の探索を行い,β-アラビノオリゴ糖鎖を見いだした。β-アラビノオリゴ糖鎖はエクステンシンおよびナス科レクチンにみられるヒドロキシプロリン(Hyp)結合糖鎖である。代表的なβ-アラビノオリゴ糖鎖であるβ-Araf-(1→2)-β-Araf-(1→2)-β-Araf-Hyp(Ara_3-Hyp)にHypBA2を作用させたところ,β-Araf-(1→2)-Arafとβ-Araf-Hypに分解した。β-L-arabinobiosidaseと命名された本酵素は,β-アラビノオリゴ糖鎖を切断する初めての糖質加水分解酵素である。B. longumの培養菌体に本酵素活性が確認できたことから,B. longumはβ-L-arabinobiosidaseを含めた酵素群を用いてβ-アラビノオリゴ糖鎖を資化しているものと考えられる。
- 日本応用糖質科学会の論文
- 2011-04-20
著者
-
藤田 清貴
鹿児島大学農学部生物資源化学科
-
坂元 志帆
鹿児島大・農・生資化
-
小野 祐樹
鹿児島大・農・生資化
-
北原 兼文
鹿児島大学農学部生物資源化学科
-
坂元 志帆
鹿児島大学農学部生物資源化学科
-
小野 祐樹
鹿児島大学農学部生物資源化学科
-
若尾 雅広
鹿児島大学大学院理工学研究科
-
隅田 泰生
鹿児島大学大学院理工学研究科
-
菅沼 俊彦
鹿児島大学大学院連合農学研究科
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