海洋学の10年展望(II) : 日本海洋学会将来構想委員会化学サブグループの議論から(海洋学の10年展望-「海の研究」特集号-)
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概要
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化学海洋学を中心とする視点から,海洋学の過去10年程度の研究の進展を総括するとともに,今後10年程度の期間でわが国として取り組むべき研究の方向性について論じた。物質循環は依然として海洋学の主たる研究対象である。海洋における物質の定量は化学系の海洋観測の基本であるが,センサーを搭載した各種の能動型のプラットフォームにより海洋物理系の観測並みに高い時空間解像度を目指す方向が大きな柱になりつつある。一方で,このような高密度観測を補完するプロセス研究の重要性も指摘された。この両者の相互連携の仲立ちとしてモデルの役割が位置づけられ,また両者の連携による研究進展における新技術の導入および技術開発へのフィードバックの必要性が議論された。物質動態の可視化に不可欠なセンサーおよびプラットフォームの現状と展望,プロセス研究の対象となる未解明部分の例示,両者を統合した今後の物質循環研究のあり方とモデル海域の順で,研究基盤との関わりも含めて展望した。
- 2013-11-15
著者
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小埜 恒夫
独立行政法人水産総合研究センター北海道区水産研究所
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鈴村 昌弘
独立行政法人 産業技術総合研究所 環境管理技術研究部門
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石井 雅男
気象庁気象研究所地球化学研究部
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小畑 元
東京大学大気海洋研究所海洋無機化学分野
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小川 浩史
東京大学大気海洋研究所
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神田 穣太
東京海洋大
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山下 洋平
北海道大学大学院地球環境科学研究院
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小畑 元
東京大学大気海洋研究所
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本多 牧生
独立行政法人海洋研究開発機構
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川合 美千代
東京海洋大学先端科学技術研究センター
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渡邉 豊
北海道大学大学院地球環境科学研究院
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小埜 恒夫
独立行政法人水産総合研究センター
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石井 雅男
気象庁気象研究所
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