対処方略の柔軟性が外傷性ストレス反応に及ぼす影響(原著)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究では、質問紙調査法により、外傷体験を有する大学生191名を対象に、外傷体験想起時の対処方略の柔軟性が外傷性ストレス反応に及ぼす影響について検討した。対処方略の柔軟性の定義は加藤(2001b)に従い、"失敗した対処方略の使用を断念すること"(基準G)、"新たな対処方略を使用すること"(基準N)の二つを基準とした。分析対象者を二つの基準に従って分類した結果、G-N群は41名、G-noN群は36名、noG-N群は49名、noG-noN群は65名であった。基準G(2)×基準N(2)の2要因共分散分析を行った結果、基準G×基準Nの交互作用がみられた。単純主効果を検討した結果、新たな対処方略を使用した場合、それまで用いていた対処方略を放棄した者は放棄しなかった者に比べて回避症状得点が有意に高い一方で、新たな対処方略を使用しなかった場合、それまで用いていた対処方略を放棄した者は放棄しなかった者に比べて回避症状得点が有意に低かった。以上のことから、本研究では、対処方略の柔軟i生に富むことが外傷性ストレス反応の悪化につながる可能性が示唆された。
- 日本行動療法学会の論文
- 2011-09-30
著者
関連論文
- 中学生の抑うつに関する調査--ソーシャルスキル,自動思考,学校不適応感の観点から
- 児童養護施設に入所中の児童に対するRDIの効果
- 臨床心理学キーワード(第33回)EMDR/適応的な情報処理モデル/自我状態間の結合
- 焦点2 EMDRとは何か--PTSDに効果? その技法とメカニズム
- 臨床心理学の最新知見(第2回)EMDRの効果と限界
- トラウマ記憶の処理--EMDR
- 眼球運動による脱感作と再処理法(EMDR)の急性ストレス障害(ASD)を示した阪神淡路大震災被災者への適用 : ストレス障害に対するストレスの少ない治療法
- ネガティブな反すうが大学生の睡眠に及ぼす影響
- ネガティブな反すうがストレス反応に及ぼす影響
- あがりに対する対処法の検討--短期的介入を通して
- EMDR : 外傷記憶を処理する心理療法 : 子どもへの適用, 特に自閉症圏の子どもへの適用について
- S-3-4 急性ストレス障害の阪神・淡路大震災被災者に対する眼球運動による脱感作法(EMD)の適用(第24回日本バイオフィードバック学会総会演題抄録)(SYMPOSIUM 3災害・大地震後遺症における自己管理の方法)
- 認知行動的マネージメントが多次元不安に与える影響
- 注意機能と認知的評価およびコーピングとの関連
- 注意機能がストレス反応に及ぼす影響--単独効果および組み合わせ効果の検討
- 不安感受性と外傷体験の性質との相互作用が外傷性ストレス反応に及ぼす影響
- 自尊感情の個人差が認知的評価に及ぼす影響--ローカス・オブ・コントロールの違いに焦点を当てて
- 児童養護施設に入所中の子どもにおける問題行動とトラウマ反応に関する研究--CBCLとTSCCを用いて
- 教育講演 包括的治療としてのEMDR
- 睡眠の質がストレス負荷時の心理・生理的反応へ及ぼす影響
- 反応密度が髄伴性判断に与える影響
- S5-4 EMDR(眼球運動による脱感作と再処理法)によるトラウマ治療の可能性(社会を動かすサイコセラピーの力,シンポジウム5,今,心身医学に求められるもの-基礎から臨床まで-,第52回日本心身医学会総会ならびに学術講演会)
- 通常学級において集中の困難な児童の指示従事行動に対するセルフモニタリングの効果
- 包括的治療としてのEMDR
- 眼球運動が記憶想起に与える影響についての実験研究
- 左右交互のタッピングを用いた疼痛緩和技法の有効性についての臨床的研究
- EMDR20年の歩み : 過去,現在,未来 (特集 EMDRの発展)
- EMDRをその外と内で支えるツール : 情報収集と認知の編みこみ、そして耐性の窓
- 認知症周辺症状(BPSD)に対するEMDR
- 理事長挨拶 創刊にあたって
- EMDR : PTSDに効果的な心理療法(社会を動かすサイコセラピーの力,2011年,第52回日本心身医学会総会ならびに学術講演会(横浜))
- 対処方略の柔軟性が外傷性ストレス反応に及ぼす影響(原著)
- SY-2 地方勉強会における認知行動療法の普及の試み(自主企画シンポジウム)
- P1-24 児童の被受容感と被拒絶感が自己表現方法に及ぼす影響(ポスター発表I)
- 阪神淡路大震災・いじめ・***被害など、複数のトラウマ体験によりPTSDを発症した20代女性に対するEMDR : 短期で終結に至った事例(ケーススタディ4,テーマ:認知行動療法の「今」,日本行動療法学会第38回大会)
- P2-77 社会不安障害を併存するパニック障害に対する介入(一般演題(ポスター発表))
- P2-40 大学生活不安とソーシャル・サポートの関連(一般演題(ポスター発表))
- P3-16 通常学級において集中の困難な児童の指示従事行動に対するセルフモニタリングの効果(ポスター発表III)
- P2-1 行動活性化が社会適応状態に及ぼす影響についての検討(一般演題(ポスター),テーマ:認知行動療法の「今」,日本行動療法学会第38回大会)
- O1-2 被害体験によるPTSDに対して長時間曝露療法が有効であった一事例(一般演題(口頭発表),現在から未来へ 我が国における認知行動療法の展開)
- 日本人大学生に対するうつ病評価尺度(日本版BDI-II)適用の有用性(資料)
- P2B-6 肯定的記憶の筆記表現が大学生の自尊心に及ぼす影響(ポスター発表4(不安・抑うつ・精神医療),人間科学としての行動療法の展開)
- P1B-42 イメージモデリングを組み込んだSSTの効果 : 性差についての検討(ポスター発表1B(基礎研究・ストレス・精神保健),行動療法の先端性と一般性)
- P1-66 日本語版侵入への反応尺度(JRIQ)作成の試み(一般演題(ポスター),現在から未来へ 我が国における認知行動療法の展開)
- P2A-36 両側性の刺激が状態不安に与える効果(ポスター発表3(基礎研究・ストレス・精神保健),人間科学としての行動療法の展開)
- P1B-3 SSTでのイメージモデリングとライブモデリングの効果(ポスター発表2(学校臨床),人間科学としての行動療法の展開)
- P2B-9 Emotional Stroopによるシャイネス傾向の多面的測定(ポスター発表4(不安・抑うつ・精神医療),人間科学としての行動療法の展開)
- P2-75 対処方略が情動的ストレス反応に及ぼす影響(一般演題(ポスター発表),切れる最新の理論と途切れない地道な実践)
- P2-82 ソーシャルスキルの自己評価と他者からの評価に対する恐れが対人不安傾向に及ぼす影響(一般演題(ポスター発表),認知行動療法を全国民に提供するために、総力の結集を!)
- P1-25 対処方略の柔軟性が外傷性ストレス反応に及ぼす影響(一般演題(ポスター発表),認知行動療法を全国民に提供するために、総力の結集を!)
- P1-12 広汎性発達障害児に対する時間順守行動への介入(一般演題(ポスター発表),認知行動療法を全国民に提供するために、総力の結集を!)
- P1B-3 罪悪感がネガティブ経験に関する思考の反すうに及ぼす影響 : 大学生を対象とした実験的検討(ポスター発表1B(基礎研究・ストレス・精神保健),行動療法の先端性と一般性)
- P2-48 不潔恐怖を示す児童への介入(一般演題(ポスター発表),サイコセラピーの融合とより良き社会的貢献を目指して)
- P2-11 ソーシャルスキルの自己認知が抑うつに及ぼす影響(一般演題(ポスター発表),認知行動療法を全国民に提供するために、総力の結集を!)
- P2-86 手が震えるという不安に対する介入 : 回避・安全確保行動への介入(一般演題(ポスター発表),認知行動療法を全国民に提供するために、総力の結集を!)
- O3-2 抑うつに対する行動活性化法の効果(一般演題(口頭発表),切れる最新の理論と途切れない地道な実践)
- P2-37 不合理な信念が社会的スキルの自己評価に与える影響の検討(一般演題(ポスター発表),切れる最新の理論と途切れない地道な実践)
- Emotional Stroop課題によるシャイネス傾向の測定 : 認知・生理・行動的側面からの検討(原著)
- P3-39 対処方略の組み合わせが外傷性ストレス反応に及ぼす影響 : 外傷体験想起時に焦点を当てて(一般演題(ポスター),サイコセラピーの融合とより良き社会的貢献を目指して)
- P2-15 自尊感情が認知的評価に及ぼす影響 : ローカス・オブ・コントロールの違いに焦点を当てて(ポスター発表II,教育・福祉・健康分野への進展)