小標数の有限体上のelliptic netを用いたペアリングと楕円スカラー倍の計算

概要

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楕円曲線上のペアリングを計算する方法としてMillerのアルゴリズム([18],[19])が有名で,それ以外の方法は殆ど知られていなかった.2007年にStange[25]はelliptic netと呼ばれる写像を定義し, elliptic netを用いてTateペアリングを計算する新しい方法を提案した. Stangeの論文ではTateペアリングの公式だけが示されており,その後,小椋ら[20]によってAteペアリングなどの計算方法が示された.また,楕円曲線のスカラー倍計算をellipticnetを用いて計算することも可能である([11]).しかし,以上の結果は全て,楕円曲線の定義体の標数が3より大きい場合を対象としている.そこで本研究では,Stangeの提案したelliptic netの計算アルゴリズムを標数2,3の有限体上で定義された楕円曲線についても用いられるかを検討する.そしてelliptic netを利用した楕円スカラー倍の実装と性能評価を行う
一般社団法人電子情報通信学会の論文
2012-09-14