プレバイオティクスとして有用な新規機能性オリゴ糖の生産開発(糖質関連酸素化学シンポジウム)

概要

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近年,腸内善玉菌の増殖を促進し,悪玉菌の増殖を抑制することで,宿主に有益な効果をもたらす難消化性食品成分「プレバイオティクス」が注目を集めており,現在までにオリゴ糖類や食物繊維の一部でプレバイオティクスとしての効果が認められている。本研究では,糖質加リン酸分解酵素(ホスホリラーゼ)が触媒するオリゴ糖合成反応を用いてプレバイオティクスの新規開発を目指した。プロバイオティクスとしても用いられる乳酸桿菌,プレバイオティクスとしての有用性を示す植物細胞壁成分を分解する酵素を数多く生産する真正細菌由来のホスホリラーゼ遺伝子のクローニングおよび大腸菌を宿主とした大量発現系の確立を行った。得られた酵素の糖受容体特異性を多種多様な糖質を用いて調査した結果,新規オリゴ糖を含む19種のオリゴ糖の高収率生産に成功した。新規オリゴ糖については,二次元核磁気共鳴分光法およびイオンスプレー化質量分析法により構造決定を行った。グルコース1-リン酸の代わりにグルコシル1-フルオライドを糖供与体として代用することで,アノマー反転型ホスホリラーゼのグライコシンテース化にも成功した。
2012-05-20