査定標準(基準)のあり方と問題点
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
生命保険会社では新契約の引受けの可否判断にいわゆる査定標準(基準)が使われている。昨今,臨床医学では証拠に基づいた医療(EBM)を基盤に種々の診療ガイドラインが作成・公表されている。医療の進歩により予後が改善している疾患も少なくない。一般に,保険実務における査定標準のあり方として1)EBMに基づいている,2)医師以外の査定実務者も容易に利用でき(Underwriter-Friendly)経験の程度にかかわらず適切な査定ができる,3)医療の進歩・考え方に柔軟かつ迅速に対応できている,などがあげられる。一方,問題点も多い。例えば,1)EBMに基づく臨床医学データは生命保険で扱う期間と比し概ね短く,長期予後を扱う査定標準への反映は難しい,2)本来,信頼度が高いとされるRCT(ランダム化比較試験)の結果でさえ,覆されることもあり,必ずしも現在のEBMに全面的な信頼を置けない,3)服薬などの治療を長期に受ける必要がある場合,アドヒアランスが良好に継続されることの判断が難しいなどの問題がある。本稿では保険実務の切り口から,査定標準のありかたとその問題点についてあらためて一考してみた。
- 2013-03-29
著者
関連論文
- 第54回日本生殖医学会総会・学術講演会参加報告 : 第3者配偶子を用いる生殖医療
- 事例検討 慢性副鼻腔炎の危険選択
- 医学の進歩(医学的介入)は,生命保険に何をもたらすのか : 次世代を見据えて:生殖補助医療の進歩 生への介入(パネルディスカッション)
- 低出生体重児における脳室周囲白質軟化症(PVL)の発症リスク
- 脳室周囲白質軟化症(PVL)の支払い事例(一般演題C,第100回日本保険医学会定時総会プログラム,学会からのお知らせ,学会より)
- 告知書にみるプロラクチン産生下垂体腺腫(プロラクチノーマ)の危険選択
- リンパ節腫脹の危険選択
- 緑内障の危険選択
- ほくろの危険選択
- 川崎病のEvidence Based Underwriting(EBU)
- 生命保険におけるメンタルヘルス関連疾患の評価
- ほくろ(黒子)の危険選択(一般演題C,第102回日本保険医学会定時総会)
- 脊椎癌転移が原因と判明した腰痛の告知事例 : 急性腰痛の危険選択における注意点
- 職域における生活習慣病と健康管理 : 社医のもう一つの業務
- 癌転移が原因と判明した腰痛の告知事例(一般演題A,第101回日本保険医学会定時総会,学会からのお知らせ,学会より)
- 乳癌検診異常所見精密検査後の評価 : マンモグラフィにおける微細石灰化陰影の精密検査で異常なしと診断されたガン保険申し込み事例
- ガン保険における乾癬の評価 : 乾癬治療に伴う発癌リスクについて
- 告知書にみる成人アトピー性皮膚炎の評価について
- 不明熱の危険選択
- 査定標準(基準)のあり方と問題点(一般演題C,第109回日本保険医学会定時総会)
- 査定標準(基準)のあり方と問題点
- 査定実務者のスキルアップを目指した研修会の一考察(一般演題C,第110回日本保険医学会定時総会)
- アンダーライター制度の現状について(一般演題C,第110回日本保険医学会定時総会)
- 査定標準 (基準) のあり方と問題点