脊椎癌転移が原因と判明した腰痛の告知事例 : 急性腰痛の危険選択における注意点
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概要
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腰痛はありきたりの疾患である。およそ成人の7〜8割は腰痛を一度は経験し,ほとんどの腰痛患者の予後は良好である。多くの腰痛の原因は非特異的で重大なものではないが,まれに脊椎悪性腫瘍のような重篤な疾患が原因となっていることもあり腰痛の慎重な評価は危険選択に不可欠である。本稿では脊椎癌転移が原因と判明した腰痛の事例を提示し,文献的考察を行った。脊椎悪性腫瘍に起因する腰痛は1%以下であるが,その予後はきわめて悪い。重篤な疾患による腰痛を排除することは危険選択上大切なことであり,腰痛の正確な診断のためには十分な病歴聴取と理学所見をよく取ることの重要性は論を俟たない。50歳以上,癌の既往がある,原因不明の体重減少,1か月以上続く痛み,保存療法に反応しないことは脊椎悪性腫瘍に起因する腰痛の危険項目である。特に,これら危険項目がある場合,腰痛の評価は慎重にせねばならない。
- 日本保険医学会の論文
- 2005-03-17
著者
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