緑内障の危険選択
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概要
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最近,我が国で実施された緑内障に関する疫学調査(多治見スタディ)によれば,40歳以上の緑内障の有病率は約5.8%であり,過去の調査結果と比較して高いことがわかった。これらの結果は,緑内障患者数は増加しており,もはや緑内障は決して稀な疾患ではないことを示している。緑内障は成人失明の主原因の一つである。臨床のみならず査定の観点から緑内障のリスクを適切に評価することはとても大切である。緑内障患者ではほとんど末期まで何ら自覚症状がない。さらに多治見スタディによれば,緑内障患者の平均眼圧値は15.3mmHgであり正常眼のそれとはわずか0.8mmHgしか違わず,これらが示唆するところは視力あるいは眼圧のみでは緑内障の予後予測には限りがあるということである。一方,緑内障の危険選択では視野に関する情報が有用である。しかし,得られる情報が少ないだけでなく,臨床における緑内障予後に関するエビデンスがきわめて少ないなどもあり,実際問題として緑内障の評価や危険選択が難しいこともしばしば経験する。本稿では実務の観点から,文献的考察を踏まえ,緑内障の危険選択の方法を試みてみた。
- 2006-06-17
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