桜島における南岳・昭和火口からの二酸化硫黄放出率の分離(<特集>桜島火山)
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概要
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桜島火山にて紫外線カメラ観測装置を用いてガス観測を行い,南岳火口及び昭和火口から放出される二酸化硫黄放出率の分離を行った.二酸化硫黄放出率は各火口の状態を反映していると考えられるため,複数火口が存在する火山でそれらの放出率を個別に測定する事は噴火活動を理解する上で非常に有用である.観測は2007年から2010年に行われた.その結果,昭和火口の放出率は数百トンから数千トンレベルで大きく変動したが,南岳火口の放出率は100-500トン程度でほぼ一定だった.これより,観測期間中,南岳の火道の状態は安定したままほとんど変化していないと考えられる.また,昭和火口の火道状態は昭和火口の噴火活動・回数に応じて大きく変動している事が示唆される.桜島火山において長期的に行われているCOMPUSSを用いた二酸化硫黄放出率観測データは二つの火口の放出量の合計である.南岳のガス放出率がほとんど変わっていないことから,COMPUSSを用いたガス放出率観測で見出されている放出率変動は主に昭和火口による寄与が大きく,南岳の放出率変化はほとんど寄与していないと考えられる.
- 2013-03-29
著者
-
森 俊哉
東大・院理
-
森 俊哉
東京大学理学部
-
風早 竜之介
東京大学大学院理学系研究科
-
山本 圭吾
Sakurajima Volcano Research Center of Disaster Prevention Research Institute, Kyoto University
-
山本 圭吾
Disaster Prevention Research Institute, Kyoto University
-
森 俊哉
The University of Tokyo
-
風早 竜之介
The University of Tokyo
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