出生前診断の受検に関する意思決定についての文献レビュー : 意思決定の特徴とその要因から看護の方向性を考える

概要

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出生前診断の特殊性と社会的背景をふまえ,出生前診断の受検に関する意志決定の文献レビューを行い,意思決定の特徴とその要因から看護の方向性を考察した。医学中央雑誌Ver.5を用い,出生前診断,羊水検査,母体血清マーカー検査,意思決定,妊婦,看護をキーワードに過去20年間の文献を検索し,該当する16文献を検討した。その結果,出生前診断における意思決定の特徴は,受検の段階ですでに結果が陽性であった場合を想定し,人工妊娠中絶もしくは妊娠継続という意思決定をしていたとの報告が多く認められ,結果の段階で中絶か妊娠継続かという意思決定について調査されている文献は認められなかった。出生前診断の受検に関する意思決定に影響する要因は, 1)高年, 2)過去の妊娠出産・既往, 3)出生前診断に関する認識, 4)障害児に対する認識, 5)いのちに対する価値観・人工妊娠中絶への態度, 6)夫・家族の態度と関係性, 7)医師の説明や態度の7つに分類され,それぞれの要因が関連していた。以上より看護の方向性として,意思決定の特徴やその要因をふまえた継続的なかかわりが重要であることが示唆された。
2013-01-00