模擬胎便を用いたおむつ交換技術演習の評価 : 看護学実習における技術経験の違いに焦点をあてて

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母性看護学実習において,学生が実習中に育児技術を経験する機会は限られており,おむつ交換技術では見学にとどまる学生も存在している。そこで,実習における学生の技術経験の違いに焦点をあて,学生の自己評価による模擬胎便を用いた演習の効果を検討した。母性看護学実習を終了した短期大学看護学専攻の3年生を対象に自記式質問紙を用いた調査を行い,383名から回収を得た。実習において,受け持ち新生児のおむつ交換を実施できず見学にとどまった学生は,16%であった。このうち90%の学生は,模擬胎便による演習は役立ったと答えていた。その理由は,「母親の手技をみてアドバイスすることができた」「母親が戸惑っていたので,指導をした」「一通り流れや手技がつかめた」などであった。実習中に受け持ち新生児のおむつ交換技術を実施できなかった学生も,母親がおむつ交換を行う場面で自己の演習を想起し,母親の戸惑いへの対応や手技へのアドバイスをするなどのかかわりをもつことができていた。また,学生は演習での経験を活かし,母親に共感的に接するとともに,新生児に関心を向けていた。つまり,模擬胎便を用いた演習によって,学生は実習における戸惑いを軽減でき,さらに対象との積極的なかかわりをもつことを可能にする学習であることを示唆した。

模擬胎便を用いたおむつ交換技術演習の評価 : 看護学実習における技術経験の違いに焦点をあてて

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