分娩取り扱いと人的資源からみた産科診療の現状

概要

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目的と方法:分娩を取り扱う施設の変化により,病院で出産を希望する妊婦へのサービス低下が生じている。周産期医療提供体制の現状,特に産科病棟の分娩取り扱いの実態と今後の予定を明らかにすることを目的に,一般的な病院名簿として存在する「病院要覧2003-2004」から,産科の標榜がある150床以上の病院を抽出し郵送法により調査を行った。結果と考察:調査対象は1,337病院で,808病院から回答を得た。回収率は60.4%であった。調査時点ですでに25%が産科病棟を閉鎖していた。産科病棟をもつ604施設の今後の分娩取り扱いの方針で,分娩取り扱いを縮小する傾向は公立病院,公的病院に多く,婦人科や他科との混合病棟で運営するところに多く,地域差もあった。産科病棟の閉鎖や分娩取り扱い中止などの方針決定は,2002年以降にその動きが始まり,ここ数年で急増している。この方針決定は,産科医師の不足が大きな要因となっている。しかし,助産師も十分専門性を発揮して就業できていない可能性もある。産科医師の充足は社会的に急務を要する課題だが,人的資源として潜在助産師を含め正常分娩における助産師の有効な活用を検討することが周産期医療提供体制への課題解決につながる。
日本母性衛生学会の論文

分娩取り扱いと人的資源からみた産科診療の現状

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