出産に対する満足感と1ヵ月後の母子相互作用との関連
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概要
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本研究は,病院の産科で出産した産婦20名を対象に,出産に対する満足感と母子相互作用との関連を明らかにすることを目的とし,産褥入院中に質問紙調査,産後1ヵ月時に家庭訪問による母子相互作用の観察と質問紙調査を実施した。母親が就労していること,教育年数が高いことが出産に対する満足感の低さに関連していた(P=0.021, P<0.001)。出産に対する満足感は下位尺度である「生理的分娩経過」が産褥早期よりも1ヵ月後で上昇していた(P=0.046)。産褥早期における授乳中の母親のわが子の知覚は,出産に対する満足感が高いと授乳中の児の興奮性が低く(ρ=-0.532,(P<0.01)),授乳における自信の不足が低い(ρ=-0.653, (P<0.01))ことが明らかとなった。産褥早期における出産に対する満足感と産後1ヵ月の母子相互作用とに関連はみられなかった。母子関係を支援する専門家は,出産が母親にとってどのような体験であったかについての情報を得てかかわること,また,ネガティブな体験の場合には肯定的に受け止められるようなバースレビューをしていくことの重要性が示唆された。
著者
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臼井 雅美
横浜市立大学医学部看護学科
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臼井 雅美
東京女子医科大学看護学部
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園部 真美
首都大学東京健康福祉学部看護学科
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廣瀬 たい子
東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科小児・家族発達看護学
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園部 真美
東京医科歯科大学
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園部 真美
首都大学東京
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河村 秋
東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科
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廣瀬 たい子
東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科
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河村 秋
東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科博士後期課程
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