出産前後の精神的健康と児への愛着障害

概要

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[目的]出産前後の抑うつ状態,マタニティブルーズと児への愛着障害との関連性を検討した。[対象および方法]日本人女性61名(24〜43歳)を対象に,妊娠30週,妊娠35週,産後早期,産後1ヵ月時(4時点)に,エジンバラ産後うつ病質問票(EPDS),マタニティブルーズ(MB)自己質問票Bonding尺度(児への否定的感情)を用いて縦断的調査をした。[結果]各個人の4時点のEPDS得点はかなり相関関係があった(r=0.465〜0.567, P<0.01)。EPDS高得点を示す褥婦の多くは,妊娠期からEPDS高得点を示した。MB得点と4時点のEPDS得点は関連性を示した(r=0.394〜0.628, P<0.01)。各個人の4時点の児への否定的感情得点はかなりの関連性を示し(r=0.435〜0.821, P<0.01),とくに妊娠期2時点間,産褥期2時点間は強い関連性を示した(妊娠期r=0.722, P<0.01,産褥期r=0.821, P<0.01)。しかし, EPDS得点およびMB得点とは相関しなかった。[結論]出産前と出産後の抑うつ状態は相関関係がみられ,マタニティブルーズとも相関したが,児への愛着障害との関連性は得られなかった。
2013-01-00