妊婦腰痛に対する骨盤輪固定ベルトの有用性 : 骨盤周囲径と表面筋電図よりみた有用性の検討

概要

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妊娠中期妊婦30名を対象に,腰痛と表面筋電図の関連性,さらに腰痛のある者への骨盤輪固定ベルト装着の有用性を調べた。(1)腰痛に関する自記式質問紙(2)立位時と臥位時の骨盤周囲径測定(3)体幹屈曲動作に伴う脊柱起立筋の筋電位計測を実施した。まず質問紙調査により腰痛あり群20名,腰痛なし群10名に区分した。Flexion-relaxation現象(屈曲弛緩現象,有痛者にみられないことが多い)の出現は,腰痛あり群では20名のうち7名(35%),腰痛なし群では10名のうち10名(100%)でみられ,有意差を認めた(P<0.002)。そして腰痛あり群は腰痛なし群よりも体幹屈曲動作の全過程において有意に高い筋電位を示し,筋電位の高さとその持続性は痛みを反映したものと考えられた。また,腰痛あり群のうち骨盤輪固定ベルトの装着を行った11名において,骨盤周囲径差の有意な減少(P<0.01),最大前屈時の筋電位(平均・最小振幅)の有意な低下(P<0.05),4名にFlexion-relaxation現象の新たな出現を認め,腰痛のある妊婦に対する骨盤輪固定ベルト装着の有用性を表面筋電位の変化において示唆した。