超級日本語話者の談話特性 : テキストマイニングを用いた分析
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概要
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本稿は,いわゆる超級レベルの日本語学習者の口頭産出における談話的特徴を探るものである。まず,本研究における枠組みを得るために,ACTFL-OPIやCEFRの評定基準,および先行研究をもとに,超級話者の談話を特徴づける要素を取り出し,それらを談話内容の質に関わる部分と聞き手への配慮に関わる(メタ言語)部分に大別した。そのうち,談話内容の質に関わる部分として,結束性のある談話を産出するために重要な指示表現の使用傾向を,そして,聞き手配慮に関わる部分として,フィラー,終助詞,試行的提示の使用傾向を,OPIインタビューデータをもとに,テキストマイニングの手法を用いて,上級話者と超級話者で比較分析した。その結果,超級話者は上級話者に比べ(1)文脈指示のコの使用頻度が高い,(2)発話緩和や発話の埋め合わせの機能を持つ「ね」の使用頻度が高い,(3)フィラーの多様化が見られる,(4)言葉を選んでいることを示す試行的提示の使用頻度が高い,などの特徴が見られた。
- 2013-05-00
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