東京都における2011年麻しんの流行状況

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【目的】本報告の目的は,東京都における2011年の麻しんの流行状況を把握し,今後の対策へ反映させることである.【方法】感染症発生動向調査において感染症サーベイランスシステムとして厚生労働省が運用しているNational Epidemiological Surveillance of Infectious Diseases (NESID)に入力されたデータを利用した.2011年1週から52週に都内の医療機関から保健所へ発生届が提出された麻しんの症例を対象とし,入力された患者情報,疫学的情報,検査情報について解析した.また,同じ期間に報告された麻しん施設別発生状況について集計した.【結果】2011年の麻しん患者報告数は178件で,13週から24週にかけて患者の集積が見られ,128件(71.9%)がこの期間に報告された.麻しん患者が2人以上発生した施設数は5か所で,散発例が主であった.ワクチン接種歴に関しては,0歳から40歳代までの各年齢階級で接種歴のないものが見受けられた.春に流行したウイルスは,海外から流入した麻しんウイルスD4型及びD9型が中心であった.報告のあった麻しん件数351件中173件(49.3%)は,検査の結果,麻しんウイルスが検出されなかったことなどから届出削除となった.【結論】2011年の麻しんの流行では,海外からのウイルス株による流行が中心で,大規模な集団発生事例は発生しなかった.また,40歳代までの各年齢階級でワクチン未接種例が見られた.麻しん排除達成に向けて,ワクチン未接種者へのワクチン接種を勧めるとともに海外からの流入に備えた対応を継続することが重要である.
2012-08-00

東京都における2011年麻しんの流行状況

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