医療・福祉従事者の職場ストレスとコーピング : 対人援助を業とする職域間・職種間比較
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概要
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医療・福祉従事者のストレスの高さは先行研究によって明らかにされている.しかし,他の分野の対人援助職と比較した場合,どのような特徴をもつのかが明確にされていない.そこで,標準化された調査票であるNIOSH職業性ストレス調査票および小杉によるコーピング方略尺度を用いて,労働に起因するストレスの高さや要因およびコーピングの傾向について,医療・福祉に携わる専門職とその他の対人援助職を対象に職域間・職種間比較を行った.調査対象は,医療機関(300人)・社会福祉施設(200人)・その他の対人サービスを提供する機関(650人)の合計1,150人である.ストレス調査では,職域別,職種別比較を行い,筆者が追加調査として行った業務特性についてもそれぞれの比較を行った.その結果,職域別では医療機関の量的負荷の高さや社会的支援の低さ,ストレス反応としての身体的な自覚症状の高さなどが明らかになった.また,職種別では医師・看護師の量的労働負荷は高く,身体的な自覚症状は看護師に高いという結果であった.ストレス反応では医師とケアワーカーの職務満足感は高く,抑うつに関してはケアワーカーや看護師で高く医師とSW(社会福祉士,およびその業務を行う者)は低かった.また,コーピング調査においては,基本属性間,職域間,職種間の比較を行ったが,医療・福祉従事者の「積極的な問題解決」が意外になされていなかったことが明らかにされた.その他,ストレスとコーピングの相関分析から得た結果では身体的自覚症状が高いと抑うつは0.6(相関係数は1%水準で有意)と高かった.
- 日本介護福祉学会の論文
- 2005-10-01
著者
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