小学生の咀嚼と生活習慣に関する研究
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概要
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「食べる」ことは生きるための基本的活動であり,正しい食習慣は心身の健康に欠かせない。特に咀嚼は消化吸収の補助的機能だけでなく,心身に様々な影響を示すことから,あらゆる年代における健康の維持・増進に重要である。近年では,学童期の生活リズムの乱れやかめない,かまない食習慣などが指摘されている。そこで,本研究では,学童期の健康の維持・増進のため,生活習慣の実態を把握し,生活習慣,特に咀嚼習慣の違いによる咀嚼能力と肥満度を比較することを目的とし調査を行った。公立の1小学校に在籍する4年生から6年生の児童134名(男子68名,女子66名)を対象とし,咬合力測定と生活習慣に関するアンケートを実施した。また,健康診断の結果より身長・体重のデータを得て,ローレル指数を計算した。この結果,体育の授業以外に運動や外遊びを行っている人は咬合力が高く(p<0.05),給食を食べるのが速い人はローレル指数が高かった(p<0.05)。食事のときによくかんで食べていることは,朝食を誰かと一緒に食べていること(p<0.05),家族で集まっておしゃべりをする時間があること(p<0.05)とそれぞれ関連していた。また,よくかんで食べる人には自分が健康だと思う人が多かった(p<0.05)。したがって,よくかむことのみならず,食生活全体にアプローチする健康教育を行っていく必要がある。
- 2010-04-30
著者
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叶谷 由佳
山形大学医学部看護学科
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叶谷 由佳
山形大学医学部附属病院
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佐藤 千史
東京医科歯科大学
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佐々木 晶世
東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科
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巽 夕起
東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科健康情報分析学博士前期課程
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