急性期病院における地域連携を推進するための専門部署に関する文献的考察

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医療制度改革が進められている昨今,急性期病院は地域と連携することによって患者が早期に退院できるような援助を行うため,地域連携に関わる専門部署(以後,部署と称す)の配置等を行っている。そこで,本研究では,急性期病院の地域との連携に関する部署について報告されている文献をレビューすることによって,地域連携のシステムに関する基礎資料とすること,また,今後の課題にっいて考察することを目的とした。医学中央雑誌webにて「最新過去5年分(1998年から2003年)」で「地域連携室」「地域医療室」「看護相談室」「療養指導室」「地域医療連携室」「総合相談室」「医療連携室」「医療社会福祉部」のキーワードで検索を行い,重複するもの,急性期病院ではない病院の報告であるもの,退院支援に関わる機能をもたないもの,部署についての記載が不明なものは省いた61件を対象として文献レビューを行った。その結果,(1)地域連携に関わる部署を設置した病院は病床数200床以上の地域中核病院が多く,部署の開設年は1994年から2001年と比較的最近に設置されていたこと,(2)部署に看護師が配置されている病院が多く,看護師のみの部署もあったこと,(3)地域と連携するためには院内との連携の重要性が多くの文献で指摘されていたこと,(4)部署の問題として需要の多さから相談相手を限定したり,受け皿が少ない等が挙げられていたことが明らかとなった。これらから,医療法により病院の機能分化が推進されたことを背景に,急性期病院では,入院治療重視から在宅療養重視へ移行し,在宅療養への退院支援の必要性から部署が近年設置されるとともに,多くの看護師が退院支援に携っていることが示唆された。しかし,需要が多すぎる,患者の退院のための受け皿がない等の課題もあり,部署の人員の拡充や急性期治療が終了した患者が受けられるサービスの充実についての課題が明確となった。
神戸市看護大学の論文

急性期病院における地域連携を推進するための専門部署に関する文献的考察

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