第一報日本語版Nursing Activity Scale(1992年)の信頼性・妥当性の検証 : 日本の臨床看護職における専門職的自律性

概要

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医療を取り巻く環境は専門化高度化し、看護職の担う役割もますます専門性が求められる中、看護職の専門職的自律性は獲得すべき課題とされてきた。本研究では、看護職の自律性のみを具体的行動の内容から測定する「Nursing Activity Scale(NAS)」の1992年改訂版を日本語に翻訳し、その信頼性・妥当性を検証した。(1)日本の標準的臨床病院の看護師400名を対象に、2004年12月と2005年1月にNAS(1992年)を翻訳したNAS(1992年)日本版の調査を実施した結果、再テスト法での相関係数は0.68、クロンバックα係数は1回目0.86、2回目0.83、折半法での相関係数1回目0.80、2回目0.78となり、高い信頼性が認められた。妥当性では、基準関連妥当性として職務満足度との相関が認められ、併存的妥当性として職位の違いにより有意差が認められた(p<0.01)。(2)構成概念妥当性として2005年1月〜2月、中規模の公立病院4施設の看護職940人を対象に調査をおこない、NASの因子分析を初めておこなった。結果、5因子が抽出され「看護専門職としての新たな活動の開始」「看護専門職としての活動の展開」「看護専門職意識に基づく判断」「看護専門職としての責任」「看護専門職としての活動の改善」と命名した。さらに、NAS総得点と全項目との間に有意差があり相関関係が認められた。日本語版NAS(1992年)の信頼性・妥当性は十分確保され、看護職の専門職的自律性を測定する尺度として通用可能である。
日本保健福祉学会の論文
2009-02-25

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