在宅終末期の看取りに関する家族の満足度について : 「看取りの場所」「意志の尊重」「苦痛の緩和」「一緒に過ごした時間」に焦点をあてて

概要

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本研究では看取りを終えた家族の満足度について,先行研究を参考に「看取りの場所」「意志の尊重」,「苦痛の緩和」,「一緒に過ごした時間」に焦点をあて,それぞれに満足度について,これらの満足度と関連する諸要因を明らかにすることを目的に調査を実施した。方法:調査は二段階とし,A市内の全訪問看護ステーション88ケ所を対象に,全体の概要と訪問看護の利用状況を知る目的で一次調査を行った。さらに,訪問看護ステーションから在宅で看取った経験のある家族の紹介を受け,その家族を対象に二次調査を行った。結果:一次調査では,A市内の訪問看護ステーション32ヶ所(36.2%)から回答を得た。二次調査まで協力が得られたステーションは4ヶ所(4.5%),対象家族数は13名であった。利用者の平均年齢は83.6歳で,死因疾患は消化器系,呼吸器系,老衰の順で,悪性疾患は5名であった。行われていた医療処置には,点滴,酸素療法,膀胱カテーテル,褥瘡処置等があり,医療処置がなかった人は1名のみであった。「看取りの場所」,「意志の尊重」,「苦痛の緩和」,「一緒に過ごした時間」の各満足度と諸要因との関連では,「看取りの場所」において本人の意志の尊重と経済面を理由にあげた家族は,有意に看取りに関する満足度が高く,医療処置の有無や家族が希望する最期の場所などの要因では満足度に有意差はなかった。また,「看取りの場所」は「意志の尊重」「苦痛の緩和」と,「苦痛の緩和」と「一緒に過ごした時間」には,中程度から高い相関があった。結論:看取りの場所について,本人の意志を尊重することや経済的なことが看取りの満足度にとって重要な要因であることから,本人と家族が十分話し合える機会を作ることや経済面への支援を確保すること,さらに家族が利用者と一緒に過ごす時間を確保し,利用者のさまざまな苦痛を和らげるようなケアができたと感じられるような訪問看護師の援助の必要性が示唆された。
神戸市看護大学の論文

在宅終末期の看取りに関する家族の満足度について : 「看取りの場所」「意志の尊重」「苦痛の緩和」「一緒に過ごした時間」に焦点をあてて

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