社会系教科における評価法開発の論理 : 「科学的知識の形成」を目標とする授業の場合
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概要
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本稿では,学力を総合的に把握可能な形で捉えることのできる社会系教科の評価法の開発過程を理論的・具体的に明らかにした。評価法開発の手順は以下の通り。(1)社会系教科の目標を「科学的知識の形成」と解釈する立場を取り上げ,想定される内容構成を明らかにする。(III)。(2)(1)を踏まえ,想定される内容構成と具体的な授業における学習活動との関係を明らかにする(IV)。(3)(2)を踏まえ,学力の定着の有無を判断するのに適切な評価活動を設定し,評価法を提示する(V)。本稿で取り上げたのは,高等学校・公民(現代社会)の単元「消費社会論」である。本単元の分析を通して,科学的知識の形成を目標とした授業に対応する評価法の具体が示された。評価法は,育成が期待される学力を総合的に把握可能な形で捉えることのできるものであり,具体的な授業場面と評価活動が対応している。このように,授業場面と評価活動の対応した評価法により,生徒の学力保障は現実的に可能となる。
- 日本教科教育学会の論文
- 2009-09-30
著者
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