ネットワーク型ゲームにおける香りが利用者に届くまでの時間が公平性に及ぼす影響(実世界センシングとその応用)
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概要
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本報告では,嗅覚を用いたネットワーク型ゲームを対象に香りが利用者に届くまでの時間が利用者間の公平性に及ぼす影響をQoE(Quality of Experience)評価により調査している.ネットワーク型ゲームとして,三次元仮想空間において複数の利用者が対戦する果物狩り競争ゲームを用いる.このゲームでは,利用者は果実の収穫役または収穫の妨害役として振る舞う.仮想空間には,樹木に三種類の果実(グレープフルーツ,バナナ,リンゴ)が複数個なっており,果実の香りはそれら三つの中からランダムに選ばれる.収穫役の利用者は,果実をちぎとって自らの視点に近づけることで,嗅覚ディスプレイによって果実の香りを嗅ぎ,果実の香りと外見が一致しているかどうかを判断する.妨害役の利用者は,果実をもぎとり,収穫後の利用者の視点にその果実を近づけ,別の果実の香りを嗅がせることで,収穫役の利用者が正しい判断を行えないように妨害を行う.そして,利用者は収穫役として正しい判断を行うことができた回数を競い合う.評価の結果,香りが利用者に届くまでの時間の利用者間の差(一人の利用者が果実をもぎとってからその果実の香りが別の利用者に届くまでの時間と,後者が果実をもぎとってからその果実の香りが前者に届くまでの時間の差)が約700ms以上のとき,公平性が損なわれることを示す.
- 2012-01-12
著者
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石橋 豊
名古屋工業大学大学院工学研究科
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菅原 真司
名古屋工業大学大学院工学研究科
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福嶋 慶繁
名古屋大学大学院工学研究科谷本研究室
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福嶋 慶繁
名古屋工業大学
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福嶋 慶繁
名古屋工業大学大学院工学研究科
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福嶋 慶繁
名古屋工業大学工学研究科
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石橋 豊
名古屋工業大学 大学院 工学研究科
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菅原 真司
Department of Information and Communication Engineering
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福嶋 慶繁
名古屋工業大学 大学院 工学研究科
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菅原 真司
名古屋工業大学
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石橋 豊
Ntt 情報通信処理研
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星野 聡介
名古屋工業大学大学院工学研究科創成シミュレーション工学専攻
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Fukushima Norishige
Graduate School Of Engineering Nagoya Institute Of Technology
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石橋 豊
名古屋工業大学
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