移動と作図の総合を通した論証への移行過程 : 中学1年『平面図形』のデザイン実験(3)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
We conducted a design experiment for clarifying the transition process from geometry in primary mathematics to geometric proof in secondary school for the seventh grade's teaching unit "plane geometry" which was designed as three subunits of (1) the discovery game of geometric figures, (2) the jintori game, and (3) the discovery game of geometric constructions and the geometric proof. In this paper we examined the students' thought processes when they could develop the geometric constructions through the discovery game and explore the geometric proof on the superposition of two triangles which are placed at the arbitrary positions, and aimed at abstracting the factors of students' development towards geometric proofs. The factors of the transition towards logical proofs that we abstracted from our analysis of the design experiment are the following points. 1. Cognitive aspects are ・to find the geometric constructions by using and combining the figures and their properties, ・to confirm and limit the extent where the law works using inductive reasoning and empirical explanation, ・to make the proposition so that inductive reasoning can be changed to deductive reasoning, and ・to reinterpret the procedures of geometric constructions as the conditions for justification. 2. Aspects of the recognition of figure and shape are ・to find out figures and use them for geometric constructions and inferences, ・to conceive shapes included in the figure in terms of various relations and correspondences, ・to see figures as the variables which can be transformed dynamically, and ・to see figures as the representations of relations through showing reasonings diagrammatically. 3. Social aspects are ・to learn based on conjectures, refutations, and consensus among the participants, ・to make conjectures while assuming the criticism by the other students, ・to develop conjectures by examining the criticism and the counter-example by the other students, and ・to reinterpret and express the others' explanations more explicitly. 4. Aspects of the teaching unit structure are ・to envision the fundamental situation and the unit structure as a series of the situation for action, the situation for formulation and the situation for validation in the theory of didactical situation, ・to pose a proof problem so that the learned procedures of geometric constructions can be reconstructed as the conditions for justification, and ・to make geometric transformations and geometric constructions interact with each other at the final stage of the unit.
著者
関連論文
- D13 小数除法における算数から数学への移行研究 : 傾きの探究を視点として(D.【数と計算・代数】,論文発表の部)
- 研究としての授業研究の方法と課題 : デザイン実験の方法論に焦点をあてて(フォーラム「研究対象としての授業」〔3〕)
- 一つの教室の継続的観察を通してみたアメリカ第7学年の数学授業の特徴
- C7 算数の式から代数の式への転換を促す正負の数の乗除の単元の再構成に関する研究(C 数と計算・代数, 第II編 第36回数学教育論文発表会発表論文要約)
- 数学教育における記号論的連鎖に関する考察--Wittmannの教授単元の分析を通して
- C4 代数の導入過程としての正負の数の乗除の単元開発における授業展開の様相(C.【数と計算・代数】,論文発表の部)
- 7G5-12 算数を数学に接続する一般化に基づく教授単元の計画・実施・評価に関する開発研究(新世紀型理数科系教育の展開をめざして : 教育内容と学習の適時性及び論理的思考力・創造力育成に関する研究)
- 図形領域における算数から数学への移行過程について : 図形の相互関係から図形の作図への系統性(WG4【図形・幾何/測定】,「課題別分科会」発表集録 今後の我が国の数学教育研究)
- C7 算数の式から代数の式への転換を促す正負の数の乗除の単元の再構成に関する研究(C.【数と計算・代数】,論文発表の部)
- 算数から数学への移行教材としての作図--経験的認識から論理的認識への転位を促す理論と実践
- 全体論的な立場からの文字と式の単元構成について
- C7 代数の導入過程における正負の数の加減の学習指導と,それに託される教育理念(C.【数と計算・代数】,論文発表の部)
- B2 数学授業における場を視点とした代数の導入過程の構成に関する研究(B 学習指導法)(第34回数学教育論文発表会発表論文要約)
- L4 教育大学における算数・数学教育に関する科目内容とその編成 : 教育実習と講義,演習との関連から(L その他,口頭発表の部)
- B2 数学授業における場を視点とした代数の導入過程の構成に関する研究(B 学習指導法,論文発表の部)
- B1 教授単元の考えを普段の授業に実現する一つの試み : 教授学的工学に着目して (第33回数学教育論文発表会発表論文要約)
- 経験的認識から理論的認識への変容過程に関する研究--図形の作図とその正当化の過程に焦点を当てて
- 全体論的な視座からの授業設計に関する考察 : 中学校1年の文字式・方程式の授業デザインに向けて
- B1 教授単元の考えを普段の授業に実現する一つの試み : 教授学的工学に着目して(B 学習指導法,論文発表の部)
- 中学1年生の図形の経験的認識と,理論的認識へ高める作図の教授学的機能
- D3 小数除法における算数から数学への移行研究(2) : 純小数倍の理解をめぐって(D.【数と計算・代数】,論文発表の部)
- 均衡化理論に基づく数学的概念の一般化における理解過程に関する研究
- 子どもの理解に基づく教材構成に関する研究(1) : 四角形の相互関係の共通概念経路を中心として(論文発表の部)
- 理解モデルの機能(II 発表,理解研究部会,「テーマ別研究部会」発表集録)
- 拡大均衡化モデルの規範性について : 指導原理含意性を中心として(7.認知/指導モデル,論文発表の部)
- A2 均衡化理論に基づく数学的一般化における理解の成長に関する研究 : 数学的一般化の理解モデルの構築(A.理解・認知・思考分科会)
- A19 均衡化理論に基づく数学的理解の成長に関する研究 : W.Dorflerの一般化の理論を中心として(A.理解・認知・思考分科会)
- A8 数学教育における理解の深まりに関する研究(III) : 均衡化モデルの設定とその有効性について(A.理解・認知・思考分科会)
- 図形の移動を通して培われる図形認識 : 論証への移行を目指したデザイン実験
- E4 教授学的状況論に基づく移動による図形の探究過程 : 図形の論証への接続を目指した教授実験の報告(その2)(E.【図形・幾何、測定】,論文発表の部)
- I-4-1.子どもの考えを活かす指導と構成主義(I-4 自ら学び自ら考える,第I部 問題解決の指導理論,授業研究のための日本の算数・数学教育理論)
- I-4-1.子どもの考えを活かす指導と構成主義(I-4 自ら学び自ら考える,第I部 問題解決の指導理論,授業研究のための日本の算数・数学教育理論)
- I6 図形教育における算数から数学への移行を促す授業開発に関する研究(I 証明・論証,論文発表+ポスター発表の部)
- わり算概念の一般化における理解過程に関する研究 : 「等分除」の一般化
- 図形学習における動的な見方の具体化--イメージ図式の視点をもとにして
- 移動と作図の総合を通した論証への移行過程--中学1年『平面図形』のデザイン実験(3)
- 数学教育における記号論的連鎖に関する考察 : Wittmannの教授単元の分析を通して
- 算数から数学への移行とその指導に関する研究(2) : 図形学習の転換点(4.教育課程・教科書,論文発表の部)
- E3 論証への接続を目指した算数の図形指導に関する研究(1) : 図形の包含関係の理解を促す動的な見方の具体化(E【図形・幾何,測定】,論文発表の部)
- 経験的認識から理論的認識への変容過程に関する研究 : 図形の作図とその正当化の過程に焦点を当てて
- 算数から数学への移行期における子どもの論理の発達の特徴 : 除法の一般化を事例として
- 算数から代数への移行とその指導に関する研究(1) : 学校数学における代数和の位置づけとその指導(論文発表の部)
- H4 証明の学習を促進する教師の指導行為に関する質的分析研究(H 証明(説明、論証を含む),論文発表の部)
- 移動と作図の総合を通した論証への移行過程 : 中学1年『平面図形』のデザイン実験(3)
- 図形の動的な見方の構造について : 比喩的認識の視点から
- 図形学習における動的な見方の具体化 : イメージ図式の視点をもとにして
- 図形の論理的位置づけの初期の様相について : 論証への移行を目指した中学1年『平面図形』のデザイン実験(1)
- 数学教育研究方法論としてのデザイン実験の位置と課題 : 科学性と実践性の調和の視点から
- 探究的活動としての証明を実現するために : 形式的証明導入前の活動を充実させる(数学的推論と証明分科会,第43回数学教育論文発表会「課題別分科会」)
- 数学教育における認識論研究の展開と課題の明確化 : 認識論が学習指導と研究に及ぼす影響を視点として
- 小中接続期における関数概念の発達の様相に関する研究
- 文化的視点から生徒と数学を結ぶ高等学校数学科の学習指導のあり方に関する研究
- 数学教育における認識論研究の展開と課題の明確化 : 認識論が学習指導と研究に及ぼす影響を視点として
- 多世界パラダイムに基づく算数授業における社会的相互作用の規範的モデルの開発研究(2)「場合の数」の授業による検証