食品の安全性と麦類赤かび病の制御

概要

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麦類に赤かび病を起こすFusarium graminearum種複合体はかび毒を産生する代表的な植物病原菌である。本菌はデオキシニバレノール（以下、「DON」という。）、ニバレノール（以下、「NIV」という。）等のかび毒を作ることがある。我々の研究チームが中心となり、DON・NIVの低減技術に関するプロジェクト研究を進めており、これらの成果等を踏まえて、「麦類のかび毒汚染低減のための生産工程管理マニュアル」を昨年作成した。本マニュアルでは、都道府県の農業試験場の研究者および農業改良普及センターや病害虫防除所などの専門的な指導者を対象に、赤かび病かび毒汚染低減技術の指導や現地実証試験に取り組む際の対策技術と留意事項を詳細に説明している。具体的には、麦類のかび毒汚染を防止・低減するための管理点及び実施すべき取組について、実施時期ごとに整理し、それぞれの取組によるかび毒汚染を防止・低減する効果については、高、中、低の3段階で評価している。なお農林水産省が本マニュアルを基に「麦類の生産過程に係るDON・NIV汚染低減のための指針」を通知している。本稿では、かび毒に関する解説とこの指針の根拠となった当研究チームの研究成果を紹介する。
2009-10-01

食品の安全性と麦類赤かび病の制御

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