最近の末期慢性腎臓病(CKD)の疾病構造の変化と改訂CKD病期分類

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慢性腎臓病(CKD)は、生活習慣の中に潜むと言っても過言ではない。すなわち、最近の慢性維持患者の原疾患の頻度は、原発性腎疾患は激減し、糖尿病性腎症、腎硬化症、高血圧腎症など、生活習慣病に端を発した腎臓病が増加しているなど、明らかに10年前と異なってきている。末期CKD患者の透析導入患者の導入時年齢をみても、男性66.4歳、女性69.1歳となり、最も多い年齢は男性70〜75歳、女性75〜80歳であり、高年齢層の激増傾向は著しい。CKDの診断基準・病期分類は、2002年のNKF-DOQIによる提唱以来、様々な検証、批判を経て、Kidney Disease Outcomes Quality Initiative(K/DOQI)から2009年に改訂版が提唱され、わが国では2011年6月に日本腎臓学会からの報告を受けて、正式に使用開始となった。改訂された診断基準では、従来のCKDの診断基準に加えて、蛋白尿(アブミン尿)についての扱いが明確にされた。すわち、蛋白尿(アルブミン尿)の程度をA1;0.000-0.029g/day(アルブミン/クレアチニン比ACR)、A2; 0.030〜0.299g/day(ACR、g/mg・Cr)、A3; 0.300〜1.999g/day(ACR、g/mg・Cr)A3; 2.000g以上/day(ACR、g/mg・Cr)の4段階定義づけられた。次に、病期分類の改訂も実施され、病期3は病期3A(45〜59ml/min/1.73m2)と3B(3〜44ml/min/1.73m2)に分割された。CKDの診断定義および病期分類の基準になっているGFRは、本来はイヌリン、125I標識イオサラメイトなどを用いた実測GFRを用いるべきである。しかしながら、いずれも、現実には実施が困難であるために、血清クレアチン値と年齢で作られたGFRの推算式によって求められるeGFRが国際的なコンセンサスのもとに使用されている。すなわち、eGFRは、同一個体内での経過の比較には用いることができても、個体間の比較にこれを用いることは適切ではない。それ故、出来る限りイヌリンクリアランスを測定し、実測GFRを求める姿勢が重要と考える。CKDは生活習慣の中で進行する疾患であることを考えると、早期診断早期治療は不可欠である。
2012-07-31

最近の末期慢性腎臓病(CKD)の疾病構造の変化と改訂CKD病期分類

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