脳卒中後患者における昇降パターン別の階段昇降の可否に関する検討

概要

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【目的】本研究の目的は脳卒中後患者の階段昇降を昇降パターン別に昇段と降段に分けて評価し,昇降の可否に影響する要因を明らかにすることである。【方法】脳卒中後患者64名を対象に,年齢,発症からの期間,非麻痺側・麻痺側膝伸展筋力,非麻痺側・麻痺側下肢荷重率(以下,WBR),下肢Brunnstrome recovery stage (以下,Br-stage),深部感覚障害の有無,痙の程度を入院時に調査・測定した。階段昇降は動作パターンから1足1段群,2足1段群,不可能群に分類した。【結果】昇段・降段ともに3群間で,両側の膝伸展筋力とWBR,下肢Br-stage,深部感覚障害の有無に有意差が認められた。2足1段群と比較し1足1段群では麻痺側の膝伸展筋力とWBRが有意に高い値を示した。不可能群と比較し2足1段群では麻痺側膝伸展筋力が有意に高い値を示した。【結論】脳卒中後患者において,昇降パターン別の階段昇降には種々の身体機能が関与し,特に麻痺側の膝伸展筋力と荷重能力の発揮が重要であることが示唆された。
2012-02-20