終末期患者・家族に関わる看護師の葛藤に関する文献研究
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概要
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本研究は、終末期にある患者・家族と関わる看護師の葛藤に関する文献を整理し、研究の動向を把握することで、看護師が終末期医療の現場で抱く葛藤の内容と対処を見出すことを目的とした。医学中央雑誌により1991年から2011年の国内文献を検索し、該当する24件を対象文献とした。「葛藤の内容」を分析したところ、看護師は【理想とする看護】を抱きながら終末期患者・家族と関わるが、【看護師自身の未熟さ】や【医師や他のスタッフとの連携がうまくいかない】こと、【不十分なケア環境】などにより、【理想とするケアができない】状況に葛藤を抱いていた。そして、その結果として【罪悪感】を感じていた。「葛藤への対処」は【問題状況への対処】と【自分自身の安定に向けての対処】が見出されたが、罪悪感まで抱く看護師にとって、この対処では不十分であると考えられた。そのため、看護師が行ったケアを認めることができるよう、そして理想とするケアが行えなかった原因の重きを自分の未熟さに置くのではなく、普遍的な限界であったと判断できるようにサポートしていくことが必要であると考えられた。
著者
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柳澤 恵美
関西看護医療大学看護学部地域老年看護学
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神山 幸枝
関西看護医療大学看護学部地域老年看護学
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柳澤 恵美
関西看護医療大学看護学部老年看護学
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神山 幸枝
関西看護医療大学看護学部老年看護学
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金子 昌子
獨協医科大学看護学部老年看護学
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柳澤 恵美
前関西看護医療大学地域老年精神看護学
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