DPトラッキング法による局所心筋運動の自動追跡(テーマセッション,医用画像処理分野における計測・認識・理解)

概要

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超音波診断装置を用いた心臓の機能診断では,ディスプレイに表示された超音波画像から,医師の目視と経験に基づく診断が行われており,多くの症例を扱う医師にとって多大な負担となっている.本研究はシステム自動化による医師の診断の負担軽減と,心筋運動の定量的な診断指標の確立を最終的な目的としている.従来研究では相関の評価の仕方として,関心領域(Region Of Interest:ROI)中の輝度パターンの差からマッチング評価関数を決定するという相関法があり,追跡手法としては動的計画法に基づく追跡を実装したDP相関法が提案された.この提案手法により,弁やノイズの影響により追跡が失敗する問題が改善されたが,実行時間が膨大となり,誤った経路を選択することによる追跡精度の低下という新たな問題が生じた.本研究では,DP相関法を用いて,相関法による残差とは別に対応候補点の距離関係を評価関数に考慮することで,極端に誤った追跡経路の選択を抑制し,より安定した追跡を実現した.また,探索範囲を限定したことで高速化を実装した.
2011-05-12