走行時パワーゲーティングにおけるスラック解析を用いた動的命令スケジューリングの検討

概要

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近年,リーク電流による消費電力の増加が問題となっている.リーク電力の削減に効果的であるパワーゲーティング手法では,電源の供給・遮断のモード切り替え時にはある程度エネルギー面でのオーバヘッドが生じる.そのため,PG による走行時リーク電流をより削減するためモード切り替えの回数を抑制しつつ,電源遮断の期間を長期化することが重要となる.本稿では,命令が持つスラックを利用することで,走行時パワーゲーティングを行う際のモード切り替え回数を抑え,電源遮断の期間を長期化する手法を検討する.本稿ではまず,通常の走行時パワーゲーティング手法に対し,スラックを利用することで,モード切り替え回数を抑制しつつ,どの程度電源遮断の期間が延ばせるかを,演算器利用ログを解析することで調査する.そして,スラックを利用した命令スケジューリングによる走行時パワーゲーティング手法を提案する.本手法を初期評価したところ,リーク電流を削減できるサイクル数を増加させることができ,効率的にリーク消費エネルギーを削減可能であることがわかった.
2011-03-03