アルカリ抽出-高速液体クロマトグラフ法による土壌臭素の全量定量

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土壌全臭素の定量法として,土壌をアルカリ抽出して分離した臭素を3-ペンタノンとの臭素誘導体とし吸光度検出-高速液体クロマトグラフ法により定量する方法を確立した.粉砕した土壌試料0.2〜0.3gを精秤し,0.225g mL^<-1>水酸化ナトリウム溶液2mLと1%酸化マグネシウム-水懸濁液0.5mLを添加し,蒸発乾固させた後,電気炉にて約500℃で約90分間加熱した.放冷後,純水10mLを添加[figure]混合し,約30分間放置後上澄液8mLを分取し,これに2.5mol L^<-1>硫酸2mLを加え試料溶液とした.試料溶液に5mol L^<-1>硫酸0.5mLと0.1mol L^<-1>過マンガン酸カリウム溶液0.5mLを加え5分間放置した後,5% 3-ペンタノン溶液0.5mLを加え,2-ブロモ-3-ペンタノンを生成させた.次いで,ヘキサン4mLを加えて3分間抽出し,分取したヘキサン相のうち200μLをHPLCに供試し,305nmを検出波長に,分配比約2.3の位置に溶出する2-ブロモ-3-ペンタノンのピーク高さまたは面積を求めた.このピーク高さまたは面積を,臭素標準溶液(10mL中に0〜50μg含有)を試料溶液と同様に操作して作成した検量線に当てはめ,土壌試料の臭素濃度を求めた.Br,Cl,Iの共存する試料溶液に対して本法を適用したところ,Brの定量はClおよびIの影響を受けず,また土壌に添加したBr^-,BrO_3^-を効率よく回収定量できた.さらに,土壌全臭素分析の精度と正確さを,土壌標準試料4点を供試して検討したところ,分析結果は各土壌標準試料の参考値と良く一致するとともに,分析の繰り返し精度は5.6〜8.9%となった.また,日本の農耕地表層土11点の本分析法による測定結果はEDXRFによる結果と良い一致を示した.以上の結果,本定量法によって,土壌全臭素を正確にまた比較的精度良く分析することができると結論された.
2010-10-05

アルカリ抽出-高速液体クロマトグラフ法による土壌臭素の全量定量

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