オフライン環境における多様性の高い実行時自己改変ソフトウェア(2010年並列/分散/協調処理に関する『金沢』サマー・ワークショップSWoPP2010)

概要

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計算機の発展と普及に伴い、計算機上で扱われる電子的な媒体が増加している。これらの媒体に対する違法行為は増加を続けており、適切な保護機構が求められている。本稿ではソフトウェアの保護機構を取り扱う。保護に用いる仕組みを違法行為者に理解させないことが重要であり、ソフトウェアの解析を困難にすることはそのための一つの方法である。実行時にソフトウェアの自己改変を行うことは、解析対象の量を増加させ、解析コストを増加させる。自己改変を行うためにネットワーク経由でソフトウェアをアップデートする方式が提案されている。本稿ではオフライン環境で多様な自己改変を行う方式を提案する。提案方式は実行時に意味のない命令列を挿入して自己改変を実現する。一般的に保護機構の導入は実行時コストを増加させる。挿入する命令列の量と自己改変を行う頻度を変更することで、本方式では実行時コストを調整できる。実行時コストの調整をSPECべンチマークの一部に対して行った。オフライン環境で自己改変方式が実現できることを示した。本方式は違法行為の開始点である解析を困難にし、ソフトウェア保護の強化を実現する。
2010-07-28