一般市民の家庭科教育観とその形成にかかわる要因(1) : 性差と教育目標との関連
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概要
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本稿は,一般市民の家庭科観の実態を把握し,その形成に関わる要因を分析することを目的にしたものである。方法として,香川県高松市が1991年10月に実施した調査のサンプルを用いて,男子ならびに女子を対象にした家庭科履修に関する意識の実態と子どもの教育目標における家庭科の位置を調べた。その結果,一般市民は,男子の家庭科履修について約半数が,女子のそれについて約7割が肯定していた。養育態度や教育目標に関わる13項目の回答を因子分析し各項目の挙動から,男子について5つの因子が,女子について4つの因子が抽出された。男子の場合には,「家庭科履修」と「家の手伝い」とは第5の因子を構成したが,女子の場合には,「家庭科履修」は「人間としての自立」,「豊かでたくましい人間性」,「職業生活」に資すること,および「家の手伝い」とならんで第1因子を構成した。以上から,一般市民の家庭科教育観には,家庭科は女子のための主婦準備教育ととらえる意識がまだ根強くあることが推察された。
- 日本教科教育学会の論文
- 1994-10-20
著者
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