時間に基づく階層化とValueの集約配置手法による耐Churnオーバレイネットワーク

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オーバレイネットワークの研究分野では分散ハッシュテーブルに関する研究がさかんであり,特にトポロジに制約を加えた構造化オーバレイネットワークが注目されている.しかし,構造化オーバレイネットワークはノードの頻繁な参加と離脱(Churn)により,検索クエリや検索対象(Value)の喪失によって検索成功率の低下が問題視されている.また,その単純な構造から複雑な検索機能を提供することが困難であったり,ノードの特性を考慮せずに負荷を均等に分散するなどの問題もあげられる.本論文ではこれらの問題に対しValueの配置方法を変えることで成功率の低下・複雑な検索機能の提供・ノード特性を考慮した負荷分散の問題を解決する.提案手法ではオーバレイネットワークをノードの参加時間に応じて階層化し,Valueを時間が経過するに従って安定した階層へと集約しつつ配置する.この集約の効果によって複雑な検索を少ないクエリで解決することが期待できるほか,参加時間の長い計算機にはValueの集合体を割り当てることで,計算機の特性に応じた負荷の割当てを実現する.ノードの生存時間分布にWeibull分布を用いた実験の結果,提案手法はDHTと比べ検索の成功率が約35%向上した.また,従来のものよりネットワーク上を流れるメッセージ数が約10%増加したが,性能には問題のない範囲であり,Valueの内容や検索の頻度によっては,ネットワーク上を流れるトラフィックの削減を期待できる.
2010-04-15

時間に基づく階層化とValueの集約配置手法による耐Churnオーバレイネットワーク

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