スケーラブルな分散型バーチャルリアリティシステムの提案

概要

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近年, バーチャルリアリティ(Virtud Reality: VR)技術に関する研究・開発が盛んに行われており, 特にVirtual Reality Modeling Language (VRML)は, 安価なワークステーションやPC上で容易に利用できるため, 多くのユーザから注目されている。ユーザはVRMLを用いて仮想空間を記述し, World Wide Web (WWW)の機能を利用して提供することができる。このため, 広域ネットワーク上の多くのユーザが同じ仮想空間を航行することが容易に行える。また, VRMLでは, ネットワーク上に分散している複数の仮想空間をリンクを用いて関連づけることができるため, ユーザがある仮想空間内の扉や窓をクリックすることで他の仮想空間に簡単に移動することができる。このようにネットワーク上に分散したユーザが仮想空間に関する情報を交換することのできるVRシステムを分散型VRシステムとよぶ。これらのことから, 実際にVRMLを用いて仮想商店街を構成したり, オンライン会議に利用しようという動きがある。これらのシステムにおいて, 仮想空間に実際の参加者の映像や音声を用いることで, ユーザにとってより親しみやすいアプリケーションが提供できると考えられる。このような背景から本研究では, 多くのユーザが仮想空間を共有し, その空間内に現実世界の映像や音声を取り入れることのできる新たなVRシステムの構築を行っている。しかし, 複数のユーザが単一の仮想空間を共有する場合, ユーザの環境は互いに大きく異なることが考えられ, ネットワーク帯域や計算機能力といった資源量は一様であるとは限らない。また, 映像や音声といった連続メディアを用いた場合, 必要とされる資源量が時問とともに変化する。そのために, ネットワークや計算機の負荷の変動やシステムの規模の変化に応じて品質を調整することで対応するバーチャルリアリティシステムを提案する。
一般社団法人情報処理学会の論文
1997-09-24

スケーラブルな分散型バーチャルリアリティシステムの提案

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