人工建造物内およびその周辺におけるコマルハナバチの古巣に集まる家屋害虫
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概要
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人工建造物内およびその周辺に営巣したコマルハナバチの古巣に集まる家屋害虫について調査を行った.その結果,都市部(東京都世田谷区)ではコマルハナバチの地中での営巣を確認できなかった.しかし,2001年世田谷区のハチ駆除の記録より25件の営巣例があり,そのうち60%が屋内での営巣例であった.東京都と神奈川県にて,コマルハナバチの古巣を餌に用いたベイトトラップ調査と室内におけるいくつかの観察例から,5目5科5種の昆虫と1種のナメクジが確認された.また,神奈川県秦野市内の山林にてコマルハナバチの地中の古巣からヒロズコガ科の一種の幼虫が確認された.この仲間の幼虫は,毛皮,穀物,キノコなどの乾燥貯蔵物を加害することが知られており,本種も屋内にて害虫化する可能性がある.このようにコマルハナバチの古巣は,いくつかの種にとって発生源になっている可能性が示唆された.よって,コマルハナバチ自身も家屋害虫と認めざるを得ないとともに,建造物内から排除する必要があると考えられる.しかし多くの虫媒植物にとっては重要なポリネーターであるので,都市部の緑地に営巣用の木箱を設けるなどの対応策が望まれる.
- 日本家屋害虫学会の論文
- 2003-01-30
著者
-
田村 正人
東京農業大学
-
田村 正人
東京農業大学短期大学部環境緑地学科
-
田村 正人
東京農業大学短期大学部
-
飯嶋 一浩
東京農業大学短期大学部
-
飯嶋 一浩
東京農業大学短期大学部環境緑地学科
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田村 正人
農大短期
-
飯島 一浩
東京農業大学短期大学部環境緑地学科
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