ナミテントウの餌探索行動
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概要
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益虫である一方,家屋内に成虫が侵入して,集団越冬するために不快害虫視されるナミテントウについて,食性や餌探索行動などを調べた結果,次の知見が得られた。ナミテントウの幼虫では,餌として与えたアブラムシの種類の違いにより,採餌量および発育速度に差が認められ,生育完了できないアブラムシもあった。ナミテントウの幼虫は,餌を捕獲するまでは広範囲な場所を直線的に動いたが,いったん餌を捕食すると餌捕獲前よりも探索速度を低下させ,頻繁に方向転換し,次の餌探索行動に移った。すなわち,ナミテントウ幼虫の餌探索行動は摂食刺激により,広域型探索行動から地域集中型探索行動へ切り換え,ナナホシテントウの成虫と同様に餌発見効率を高めているものと考えられる。地域集中型探索行動の持続時間(GUT)と空腹度の間には関係があると考えられ,特に24時間以上の絶食条件下ではGUTが長くなる傾向がある。また,12時間以上の絶食では,無刺激,1頭目採餌後,2頭目採餌後の順で満腹になる直前までGUTが長くなった。今後は,立体的に餌探索行動を観察することが必要である。
- 1996-07-01
著者
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