マレーシア,サバ州におけるCatopsilia属の蝶の移動
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概要
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ウラナミシロチョウ(C.pyranthe)の移動1987年7月17日の11時〜12時10分,コタキナバル(Kota Kinabalu)国際空港近くのアルー海岸(Tanjung Aru)においてウラナミシロチョウの移動を観察した(図1のa).蝶は海岸の東側に接した公園を横切り,砂浜の上を飛んでから海へと飛び出して行った。この日は晴天であったが強い西風が吹いていたので,蝶は公園内では西向きに飛んでいたが,砂浜に出ると風に押されて飛翔コースを南西ないしは南の方向に変えた.11時36分から10分間に視界内を32個体が通過していった.ウスキシロチョウ(C.pomona)の移動1987年7月23日午後,内陸部のラナウ(Ranau)〜テルピッド(Telupid)間をドライブ中,ウスキシロチョウが西向きに道路を横切るのに気づいた(図1のb).確認した27個体のうち,21個体が西へ,5個体が南西へ,1個体が北西へ向かって飛んでいた.1983年7月12日にもタンブナン(Tambunan)付近のクロッカー(Crocker)山脈南西斜面で,ウスキシロチョウの南西方向への移動に遭遇した(図1のc).この時は,13時15分から15分間に約20個体がクロッカー山脈の斜面を登って行った.
- 日本鱗翅学会の論文
- 1989-03-20
著者
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