水色リモートセンシングと海洋の基礎生産
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概要
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海の色は第一義的には海水中に懸濁している粒子状の物質の量によって決まっている.それら懸濁粒子のほとんどは海洋の浅い層での植物プランクトンによる基礎生産で生産されている.海洋の基礎生産は太陽のエネルギーを有機物の化学エネルギーに変える最初の過程であって,海洋中のほとんどすべての生物のエネルギー源を供給している.海洋中の生物活動がさまざまな面で海洋中の物質循環に影響を及ぼしていることは近年ますますよく知られるようになってきた.このような理由で,衛星による水色リモートセンシングは近年問題にされているグローバルチェンジのより良い理解にとって必要欠くべからざる役割を果たすことが期待されている.我々海洋学者にとって,米国のSeaWiFSと我が国のOCTSの打ち上げをそれぞれ来年夏および1996年始めに控えた現在,それらのデータを有効に利用するための準備をすることが緊急に要請されている.本稿は我が国の研究者のために,水色リモートセンシングの概要と,その応用のための植物プランクトンの光合成と基礎生産に関する基礎的な事項を紹介することを目的としている.
- 日本海洋学会の論文
- 1993-08-31
著者
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