分子化石による過去の湧水活動の復元 : 更新統小柴層と大船層の例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
We analyzed lipid biomarkers related to AOM (anaerobic oxidation of methane) that happened in the early Pleistocene (1.7-1.4Ma) cold-seep site, northern part of Miura Peninsula, Pacific side of central Japan. Nineteen samples are obtained from a bedding-normal, 107m-long core consisting of the Koshiba (sandy mudstone and muddy sandstone, above 23m in core depth) and the Ofuna (mudstone, below 23m) Formations. In this core, both the chemoautotrophic bivalves (Lucinoma, Conchocele, Archarax) and ^<13>C-depleted authigenic carbonates (aragonite, MG-calcite, dolomite) occur abundantly. Four important results of this study are summarized as follows. 1) Both archaeal and sulfate reducing bacterial (SRB) biomarkers are recovered in all samples and their ether linkages are well preserved even in 1.7-1.4Ma sediments. 2) High activities of AOM are inferred in 7.1-7.6m and 14.6m in core depths where both archaeal and SRB-biomarkers are distinctly concentrated and greatly depleted in ^<13>C (δ^<13>C less than-100‰ vs. PDB). Those activities happened probably when marine bottoms were in 6.5-7m and 13-13.5m, respectively, where chemoautotrophic bivalves occur abundantly. 3) Two samples obtained from the same horizon 14.6m show an apparent difference in biomarker compositions. This difference may be attributed to a different micro habitats for microbes. 4) The occurrences of biomarkers derived from planktonic archaea are inferred from their δ^<13>C values and relative abundance of 4 kinds of biphytanes. Planktonic archaeal biomarkers are probably recovered from all samples and their concentration rates may be useful as an index of sedimentation rate.
- 2010-03-31
著者
-
北里 洋
独立行政法人海洋開発機構
-
北里 洋
海洋研究開発機構
-
和田 秀樹
静岡大学理学部地球科学科
-
坪井 美里
横浜国立大学環境情報学府
-
中村 栄子
横浜国立大学教育人間科学部
-
間嶋 隆一
横浜国立大学教育人間科学部
-
菅 寿美
海洋研究開発機構海洋・極限環境生物圏領域
-
力石 嘉人
海洋研究開発機構海洋・極限環境生物圏領域
-
加藤 和浩
静岡大学理学部地球科学科
-
大河内 直彦
海洋研究開発機構海洋・極限環境生物圏領域
-
佐藤 蓉子
横浜国立大学環境情報学府
-
浜名 徳明
横浜国立大学環境情報学府
-
大河内 直彦
(独)・海洋機構
-
間嶋 隆一
横浜国立大学
-
北里 洋
海洋研究開発機構海洋・極限環境生物圏領域
-
北里 洋
海洋研究開発機構・地球内部変動研究センター
-
大河内 直彦
IFREE
-
北里 洋
理学部
-
中村 栄子
横浜国立大学大学院環境情報学府
-
和田 秀樹
静岡大学理学部
-
北里 洋
静岡大学理学部地球科学科
-
大河内 直彦
海洋研究開発機構
-
中村 栄子
横浜国立大学環境情報学府環境生命学専攻
-
大河内 直彦
独立行政法人海洋研究開発機構 海洋・極限環境生物圏領域
関連論文
- 地球深部探査船「ちきゅう」の下北半島沖慣熟航海コア試料 : 物性変動から予測される古環境変動
- 地球深部探査船「ちきゅう」の下北半島沖慣熟航海コア試料の年代モデル
- 分子化石による過去の湧水活動の復元 : 更新統小柴層と大船層の例
- 中生代における海洋プランクトンと深海生態系のカップリング進化 (特集 「地球-生命」共進化系研究の最前線)
- O-8 相良掘削計画 : 相良油田周辺の層序・テクトニクスと掘削の意義
- O-95 東海沖大山沖海底谷にみられる東海断層の活動度(11. 海洋地質)
- 日本の微古生物学の行方(日本古生物学会創立75周年記念)
- ^C anatomy of algae in inland ponds and lakes, Antarctica
- 北太平洋の深海底からの単室軟質殻有孔虫類:予報 (総特集 亜寒帯太平洋における生物代謝と物質循環--白鳳丸での研究から)
- スリランカ型脈状グラファイトの示差熱分析
- 鹿児島県喜界島陸産貝類の^C濃度異常について
- 南極地域における淡水棲藻類の放射性炭素濃度
- 樹木年輪を利用した最終氷期以後の大気二酸化炭素の炭素安定同位体組成の移り変わりとグローバルバイオマスの推定
- 二次元オプトードによるサツマハオリムシ(Lamellibrachia satsuma)生育環境中の酸素濃度バイオイメージング
- 二次元オプトードを用いた酸素濃度イメージング : 生物地球環境試料への応用
- 模式地およびサンテルノ河谷(イタリア)におけるトルトニアノの地〓気層位学 : 第三紀
- 模式地およびle Castella(イタリア)におけるCalabrianoとPlioceneについて : 第三紀
- 現在と過去の無(貧)酸素環境の比較研究の必要性--序論 (総特集 現在と過去の無(貧)酸素環境(上)比較研究の必要性)
- グラファイト炉原子吸光法を用いたあられ石のMg/Ca比およびSr/Ca比の分析
- O-11 相良油田に分布する炭化水素ガス分析結果に基づく相良原油の成因
- 酸化還元境界の変動と生物進化 (総特集 温室地球における生命と環境の共進化)
- Deep Subsurface Biosphere : 地下に拡がる生物圏
- 生物学 マリアナ海溝に生きる太古の原生生物
- 南フランス白亜紀黒色頁岩に記録された多様な還元環境レベル (総特集 現在と過去の無(貧)酸素環境(下)比較研究の必要性)
- 野いちご状パイライトの結晶形態と堆積環境との相関--無酸素環境のプロキシー (総特集 現在と過去の無(貧)酸素環境(上)比較研究の必要性)
- 海底1万メートルに生息する有孔虫が語る生物進化
- O-3 相良油田周辺地域の岩相・物性および地殻構造と流体移動過程の再検討(1. 前弧海盆堆積体のテクトニクス・古海洋・堆積・生物 : 南関東上総層群相当層を例として)
- 地球史を通じた地球システム変動と進化--地球・生命・環境共進化の理解に向けて (総特集 地球システム変動の解明をめざして--地球システム・地球進化ニューイヤースクール) -- (1章 地球システム変動の解明をめざして)
- 海洋無酸素環境の創成と生物の反応(白亜紀海洋無酸素事変の解明)
- 白亜紀海洋無酸素事変の解明(白亜紀海洋無酸素事変の解明)
- 鉛210およびセシウム137から見た相模湾における沈降粒子の振る舞いと堆積フラックス
- 海洋の物質循環システムに於ける有孔虫の役割--現在と過去 (総特集 南海トラフの生物と地質--化学合成生態系の形成とその進化)
- IODPの科学計画について (総特集 深海掘削と新しい地球生命科学--ODPの成果とIODPの展望) -- (2章 IODPの展望)
- 北太平洋の深海底からの単室軟質殻有孔虫類 : 予報
- 微生物がかかわった地球と生命の進化 (古海洋学の最近の進展と古生物学--地球史における海洋環境研究の最前線)
- 黒田直先生をおくる
- 黒田直先生をおくる〔含 略歴,業績目録〕
- 静岡大学MAT-251質量分析計による炭素・酸素安定同位体比の測定
- 宮崎層群高鍋層(鮮新統)の冷湧水性化石群集の新露頭
- 宮崎層群高鍋層(鮮新統)の冷湧水性化石群集に関する新知見
- 大気中元素状炭素粒子の放射性炭素^C測定法とその応用
- An outer-shelf cold-seep assemblage in forearc basin fill, Pliocene Takanabe Formation, Kyushu Island, Japan
- O-9 相良油田ボーリングコア試料における炭酸塩セメントの形成過程
- 伊豆大室山火山の^C年代
- 宮崎層群高鍋層の冷湧水性化石群集
- P-198 パラオ海溝に沈む巨大石灰岩体の形成環境と定置
- O-1 銚子ボーリングコアの年代層序(1. 前弧海盆堆積体のテクトニクス・古海洋・堆積・生物 : 南関東上総層群相当層を例として)
- O-3 銚子ポーリングコアの年代層序
- 小型有孔虫カタログ(3)
- 駿河湾より採取した底質資料
- 小型有孔虫カタログ(2)
- 小型有孔虫カタログ
- O-10 白亜紀黒色頁岩形成時の海洋表層環境 : クロロフィル色素誘導体を用いた古環境解析(2.地球史とイベント大事件-2,口頭およびポスター発表,一般講演)
- 海洋無酸素イベント(OAE)と地球内部変動 : 高解像度炭素・鉛同位体記録からみた大規模火山活動とOAE-2の関連(4.地球史とイベント大事件-1 初期地球の時代から変化していった地球環境変遷史を地球史上の大イベントから考える)
- 炭酸カルシウム結晶生成の問題点
- WG1(気候変動と海面変動)からの掘削提案 (総特集 21世紀の深海掘削への展望--ODPからOD21へ) -- (2部 21世紀の深海掘削への展望--OD21)
- 有孔虫類の形が持つ意味:考現古生物学的アプローチ (特集:古生物の科学)
- 古生物学の発展と博物館の役割(古生物学のアウトリーチ-博物館での取り組みを例にして-)
- 相模湾における benthic-pelagic coupling 研究
- 地球深部から見た地球温暖化 (特集 地球温暖化--「不都合な真実」を超えて)
- 講演再録 ライザー深海掘削による地下独立栄養微小生物生態系SLiMes(Subsurface Lithoautotrophic Microbial Ecosystems)の研究--環境の創成と微生物進化
- 古環境解析に用いられる有孔虫殻の微量元素組成 (古海洋学の最近の進展と古生物学--地球史における海洋環境研究の最前線)
- 底生有孔虫にもとづく日本の後期新生代古水深指標
- 大陸縁辺域生物群集 (Continental Margin Ecosystems : COMARGE) のセンサス : 概観と日本における例
- 238 房総半島新第三系・第四系の構成物の起源
- 炭素・酸素同位体比による有孔虫の古生態の推定
- 新第三系・第四系境界問題の現状とイタリア南部VRICAの鮮新-更新統 : 第四紀
- 第三系-第四系境界模式層準の提唱と対比
- O-280 相模湾における現行堆積過程
- 相模湾漸深海底におけるメイオベントスの堆積物内鉛直分布の季節変動パターンとファイデトリタスとの関連(Journal of Oceanography Vol.56(2000))
- 有度丘陵, 小鹿層に挾在するOnーPm 1テフラ
- O-190 底生有孔虫は太古の記憶を残しているか? : Chilostomella属を例として(17.古生物,口頭発表,一般講演)
- 駿河湾周辺後期更新世根古屋層, 草薙層, 国吉田層, 古谷層の地磁気層序
- 東アジアの内湾生有孔虫Trochammina hadai Uchioはどのようにして太平洋を渡ったのか? (総特集 生態系の改変と地質学・古生物学)
- 形態と分子から見た有孔虫の種
- 有孔虫における分子系統解析--底生有孔虫Glabratellidaeを例として (総特集 分子海洋学--分子生態学と海洋学の接点)
- 南房総・豊房層群の層序と堆積環境 : 第四紀
- 足柄層群の層序と地質年代 : 第四紀
- 大磯丘陵南部の地質 : 第四紀
- 古海洋学の最近の進展と古生物学--地球史における海洋環境研究の最前線 (古海洋学の最近の進展と古生物学--地球史における海洋環境研究の最前線)
- S2-3 生物の大量絶滅が更新した多様性(シンポジウム2 微生物と地球の共進化)
- 沈み込み帯における有機物質および砕屑物質の堆積過程--相模湾を例として (総特集 プレート沈み込み帯における物質循環) -- (2章 沈み込み帯における有機物循環とハイドレート)
- 地球生命科学:地球-生命システムのダイナミクス--現在と過去 (地球の進化・生命の進化)
- 実験古生物学的手法による古海洋環境指標の確立-総括と展望-
- 冷湧水に伴う底生有孔虫 : 特徴と適応機構についての考察
- 228. 相模湾中央部における、底生有孔虫類の底質選択を理解するための再加入実験
- 127. Ecostratigraphy : 底生有孔虫類の microhabitat から地層を特徴づける
- 4. 伊豆半島は衝突したか? : 古生物学からのアプローチ
- 矢島道子著, 「地球からの手紙」, 国際書院, 1992年7月20日出版, 178ページ, 1200円
- 古生物学に何を望むか : 飼育実験の重要性(講演・指名討論の要旨)
- 205 底生有孔虫類の殻の機能形態
- 南部フォッサマグナにおける底生有孔虫の古生物地理
- 73 フィリピン海プレート北縁部の古地理の変遷
- 富士川上流中富地域の静川層群の古地理
- 底生有孔虫からみた東北日本孤の古地図
- 瀬戸川層群の変マンガンノジュール : 地学散歩(26)
- 底生有孔虫化石群集からみた西黒沢層堆積時の東北日本弧の古地形 : 第三紀
- 底生有孔虫の行動と生活様式の観測
- O-24 太平洋の東西に分布する内湾生有孔虫Trochammina hadai Uchioはどのようにして拡がったのか?(4. 人為的な環境変化,口頭発表,一般発表)
- 地震後の深海生態系を観る