北太平洋の深海底からの単室軟質殻有孔虫類 : 予報

概要

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Allogromiina亜目などの単室軟質殻有孔虫は,北大西洋東部のメイオファウナの主要な構成グループである。しかし,太平洋については系統的な報告はなかった。私たちは,北太平洋北部の深海平坦面(48°05.43'N,176°55.06'E,水深5,289m)から採集されたマルチプルコア試料の表層0〜1cmを検鏡し,2,876個体[545個体/(10cm^2)]のローズベンガルで染まった有孔虫を拾い出し,同定した。75%以上は表層0.5cmに分布し,また,約半分が32〜63μmの画分に含まれていた。全個体数の約3分の1,そして全形態種の約半分の種が単室軟質殻有孔虫であり,そのほとんどが長径120μm以下の小型の個体であった。今回の北太平洋における解析結果と,北大西洋およびインド洋北西部における従来の研究結果に基づくと,単室軟質殻有孔虫という今までよく知られていなかった分類群が,酸化的な深海のメイオファウナの重要な構成要素であることが示唆される。
日本海洋学会の論文
2002-03-05