HBs抗原特異的抑制性T細胞の誘導におけるHLA-DQ拘束性CD4陽性細胞の役割
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概要
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HBs抗原に対する免疫学的寛容状態の解明のために我々はHBs抗原特異的抑制性T細胞の誘導のメカニズムについて検討を行った.抑制活性をみるための方法としては,我々がこれまでに報告してきたin vitroにおけるHBs抗体産生系を用いた.まず,HBワクチンで免疫されたhigh responder(HBワクチンに対する高応答者)より得られた末梢血単核球をhigh doseのHBs抗原で刺激し,CD8陽性の抑制性T細胞を誘導した.この抑制性T細胞はHBs抗原に特異的であり,HBs抗体の産生のみを抑制していた.さらにこのCD8陽性抑制性T細胞の誘導にはCD4陽性細胞が必要であり,in vitroにおいてCD4陽性細胞を除くことにより抑制性T細胞の誘導は阻害された.この抑制性T細胞を誘導するCD4陽性細胞(suppressor-inducer T cell)はHLA class 2抗原のDQ抗原に拘束されており,抑制性T細胞を誘導する培養液中に,anti-DQを加えることにより抑制性活性の低下が認められた.この活性の低下は,anti-DQにのみ引き起されるものでありanti-DRや,myeloma proteinでは抑制活性の低下は得られなかった.また,このanti-DQにより阻害されるのはCD4 suppreessor-inducer T cellを介したCD8 suppressor T cell誘導の系であり,抗体産生系の培養中にanti-DQを加えても同様の抑制活性の低下は得られなかった.
- 東京女子医科大学の論文
- 1997-12-25
著者
-
林 直諒
東京女子医科大学内科
-
林 直諒
東京女子医科大学 医学部 消化器内科学
-
林 直諒
東京女子医科大学消化器病センター消化器内科
-
小幡 裕
戸塚ロイヤルクリニック
-
山内 克巳
東京女子医科大学消化器内科
-
小幡 裕
東京女子医科大学消化器病センター
-
鈴木 義之
東京女子医科大学
-
小幡 裕
東京女子医大消化器病センター
-
山内 克巳
虎の門病院(共済)
-
山内 克巳
東京女子医科大学附属消化器病センター
-
林 直諒
東京女子医科大学消化器内科
-
林 直諒
東京女子医大肝移植チーム
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