ベトナム・ハンセン病患者処遇の実態とライフコースについての研究
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概要
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ベトナムでは1982年から導入されたMDT(Multi-Drug therapy,多剤併用療法)が効果を上げ,新規患者の数も減少してきている.ハンセン病は手足の変形など重い障害を残す可能性があるため,早期発見・治療が重要であるが,MDTが導入される以前に発症した(元)患者は高齢化が進み,上下肢の変形や切断といった重い障害や後遺症に苦しむ者も少なくない反面,早期に発見された若い患者は障害を残すことなく回復し,問題なく社会生活を送ることが可能となっている.しかし,重い障害を持った高齢の(元)患者は治療を終えても社会復帰は難しく,ハンセン病村や病院の障害者棟で長期滞在している者が多い.ハンセン病の治療レベルは時代によって大きく異なるが,公衆衛生に予防と治療法が組み込まれた現代と,戦争などの社会変動によって治療法が隔離されていなかった時期とでは,(元)患者の処遇は決定的に異なる.ハンセン病患者に残された障害は,こうした治療法のレベルの差を表すものである.
- 新潟県立看護大学の論文
著者
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