骨と日本人 : 日本の家族と死生観
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
日本人は世界でも特に骨にこだわる民族である。骨に投影されているもの,それはその骨が肉をまとっていた時過ごしたであろう生の様々な瞬間の記憶である。その生が死をもってピリオドをうたれた後でも,その存在の記憶をとどめておくため,無機質な物体と化した骨に人間は骨に様々な意味を与え続ける。骨の処理のあり方は,次に埋葬の方法を決定付けることになる。墓を建て,そこに納骨する場合,誰がその墓の維持を担当するかという問題が生じ,伝統的にその役割は長男が担ってきた。骨と墓は日本人の家族のあり方・死生観に対する考え方を象徴するものである。現代の日本社会において「骨」の処理の方法は,葬法や墓のあり方を決定し,またそうした「死者への供養」という行為の中に日本的家族関係を濃厚に出現させることとなっている。
- 新潟県立看護大学の論文
著者
関連論文
- ハンセン病による障害程度とMDT導入時期との比較 : ベトナムのハンセン病患者を事例として
- ベトナム・ハンセン病患者処遇の実態とライフコースについての研究
- ベトナムにおけるハンセン病患者の実態について : ベンサン病院調査の結果より
- 現代におけるヒューマニティと「環境」の関係について
- シクロ : ベトナムにおける下層就業層の形成過程 (紀要特集第1号 新潟県立看護短期大学の歩み)
- 骨と日本人 : 日本の家族と死生観
- 自己カテゴリ化と宗教 : 主体なき「個」と集団の断層
- 青年期の自己実現(個性化)課程における「個」の不安と社会集団の関わり
- 「個」のパーソナリティと学習集団の特性 : 集団維持機能を活性化するパーソナリティ
- タイトル無し