ばら積み貨物船倉内肋骨に発生する腐食ピットの形態と部材の局部強度劣化を考慮した目視による腐食衰耗判定法

概要

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鉄鉱石及び石炭を積載するばら積み貨物船貨物倉の倉内肋骨には凹凸の激しい腐食ピットが発生する場合がある。このような場合、腐食した部材表面の凹凸が激しいこと、また、腐食している部分と腐大していない部分が混在することなどから、残存強度や残存板厚の評価が難しいのが現状となっている。また、個々の腐食ピットは、ハンマーを用いても簡単には除去できないような硬い錆こぶに覆われていることなどを考えると、部材表面の錆こぶや腐食ピットの発生状況から衰耗量を推定する手法の開発が望まれる。本研究では、石炭及び鉄鉱石を運搬するばら積み貨物船の倉内肋骨ウェブに腐食ピットが発生している場合について、(1)実腐食部材調査、(2)実験による引張強度調査、(3)既提案の腐食の確率モデルの拡張、及び、(4)非線形FEM解析による最終強度調査を実施し、その結果に基づき、目視により判定する腐食ピット面積率DOP(Degree Of Pitting intensity:部材の全表面積に対する腐食ピットが発生している部分の面積の割合を%で示したもの)を用いた腐食ピットが発生している倉内肋骨ウェブの等価衰耗量を推定する手法を提案した。
財団法人日本海事協会の論文