麹菌Aspergillus oryzae菌糸体のアクリルアミド分解特性
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
麹菌Aspergillus oryzae菌糸体のアクリルアミド(AA)分解能の向上に適した培養条件を知るため,培養時間,AA添加濃度,培地pH,および菌体量の影響を調査した.次に,選択した最適培養条件でA.oryzae4株のAA分解能を比較調査し,さらに高分解株を用いてほうじ茶浸出液中のAAの低減効果を検証した.その結果,A.oryzae RIB40株菌糸体のAA分解能はAAを200μg/ml添加し,培地pHを7.5に調整した炭素源および窒素源を含まないCzapek-Dox液体培地を使用して48時間培養することによって,顕著に向上した.また,選択した最適培養条件ではA.oryzae KBN1010株およびNo.100株は,A.oryzae RIB40株よりも高いAA分解能を示した.さらに,この2株の菌糸体を前述の培養条件で培養した後,ほうじ茶浸出液中のAA濃度の低減効果を検討したところ,8時間で半減し,24時間後には検出限界以下まで減少した.よって,A.oryzae菌糸体を前記条件で培養することでAA分解能が顕著に向上し,さらに,ほうじ茶浸出液中のAA分解時間も短縮可能であることが明らかとなった.
- 2009-10-25
著者
-
尾関 健二
金沢工大・ゲノム生物工学研
-
若泉 賢功
金沢工業大学ゲノム生物工学研究所
-
山元 宏貴
金沢工業大学ゲノム生物工学研究所
-
安田 直子
金沢工業大学ゲノム生物工学研究所
-
尾関 健二
金沢工業大学ゲノム生物工学研究所
-
尾関 健二
金沢工業大学 バイオ・化学部 応用バイオ学科
関連論文
- 固定化麹菌Aspergillus oryzaeによる溶液中のアクリルアミド低減技術の開発
- 1-IV-1 麹菌のGABA合成酵素"GAD"の機能解明(一般演題,日本ビタミン学会第62回大会発表要旨)
- 2Lp20 液面固定化(LSI)システムでのRhizopus oryzaeによるエタノール生産(培養工学,一般講演)
- 麹菌Aspergillus oryzae菌糸体のアクリルアミド分解特性
- 2Ma02 糸状菌実用株によるアクリルアミドの分解(食品科学・食品工学,一般講演)
- バイオ技術者認定試験にみる学生主導型勉強会の効果
- 麹菌は宝の山です!(若手のページ)
- 固定化麹菌 Aspergillus oryzae による溶液中のアクリルアミド低減技術の開発
- 1G11-3 米糠培地で高発現する麹菌遺伝子群の解析(酵素学,酵素工学,タンパク質工学,一般講演)
- カビを用いた新規な微生物変換・発酵生産システム (特集 生体触媒研究の新潮流)
- 1Gp05 液面固定化(LSI)システムでの糸状菌のエタノール生産(培養工学,一般講演)
- 赤ヌカからの機能性食品素材の開発
- 麹菌が「国菌」として認識される必要性について
- 1Jp02 清酒中に含まれるα-エチル-D-グルコシドの製造技術の開発(醸造学・醸造工学,一般講演)
- 麹菌グルタミン酸デカルボキシラーゼ遺伝子の発現様式の検討
- 麹菌グルタミン酸デカルボキシラーゼ遺伝子の発現様式の検討
- 3P-057 塩麹製造中および保存中の食塩の抗菌効果
- 麹菌は宝の山です!