看護学生の事例研究への取り組みの意味 : A短期大学看護学科における事例研究の内容の分析から
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概要
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1999年度から2007年度のA短期大学看護科学生の「看護研究」第18巻から第26巻に集録された総看護研究数は561編であった。そのうち事例研究は73編(13%)であった。事例研究数を年度別にみると2003年度を境に減少していた。研究対象を臨地実習領域別にみると、成人看護学実習での受け持ち患者が最も多く、次に精神看護学実習であった。最も多いテーマはコミュニケーションで半数を占めていた。次に患者・家族心理、終末期患者の看護、患者指導等であった。キーワードは、対象との人間関係、コミュニケーション、対象理解が約半数を占めた。研究手法はプロセスレコードあるいは場面を再構成し分析したものであった。研究テーマやキーワードは、コミュニケーションや対象理解・対人関係に関する内容が圧倒的に多いことが注目され、看護学生として患者とのコミュニケーションを通して自己の内面を振り返ることで自己成長につながることが伺えた。また、看護の専門性として、成人看護学実習を通して疾病・障害を持つ患者の看護、患者教育、ターミナルケア等があった。事例研究は、実際に受け持った患者の看護の体験を通したもので学生自らが学びとった強みのある学びである。それは学生自身が自ら得た看護観ともいえ自己成長につながる。また、看護教員にとっては自分自身の教育評価の機会ともなる。
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