6.BCGの低温凍結乾燥(D.凍結乾燥及び保存の被乾燥体に及ぼす影響について(I部))
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概要
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研究目標:低温凍結乾燥がBCGの生菌数、生残率に及ぼす影響、及び低温状態での乾燥時間、含水度等を観察した。実験方法:実験[I] 1%グルタミン酸ソーダを媒液として10mg/cc菌浮遊液を作り0.5cc宛アンプルに分注、乾燥群と保存群に分けた。乾燥群a) 20本のアンプルをドライアイス+メタノールで凍結したまま多岐管式乾燥機にとりつけ-77℃〜-30℃の低温で76時間乾燥を行った。b) 20本のアンプルをドライアイスで10分間凍結乾燥后多岐管式乾燥機にとりつけ食塩水+氷で-5℃〜+2℃に冷却しながら乾燥を行った。46時間で乾燥終了。保存群:乾燥群に対する対照としてアンプルに分注した生ワクを5日間低温保存の上、培養を附った。a) ドライアイス凍結保存(-77℃〜-60℃) b) 食塩+氷で冷却保存(-17℃〜-14℃) c) 氷室保存(-5℃〜+2℃) 実験[II] 3mg/ccの菌浮溶液を1%グルタミン酸ソーダを媒液として作り、低温乾燥群と室温乾燥群に分けた。a) 低温乾燥群:20本のアンプルをドライアイスで10分間凍結后冷却した(-10℃)箱型真空乾燥機に入れ冷却し乍ら(-5℃〜-10℃)乾燥した後、多岐管式乾燥機にとりつけ熔封した。b) 20本のアンプルをドライアイスで10分間凍結后、多岐管式真空乾燥機で5時間室温、(8℃〜15℃)乾燥后、熔封。実験成績:[I]乾燥群a)では76時間、b)では46時間でほぼ完全に乾燥培養の結果、生残率は生ワクチンに対して約70〜80%を示した。保存群では生菌の減少を認めなかった。[II]低温乾燥群は4日間の乾燥で乾燥状態はほぼ完全となり、生菌数は室温乾燥に対して、比較的良い成績を示した。
- 低温生物工学会の論文
- 1962-04-07
著者
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海老名 敏明
東北大学抗酸菌病研究所
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猪岡 伸一
東北大学抗酸菌病研究所
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海老名 敏明
東北大抗酸菌病研究所
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高世 幸弘
東北大抗酸菌病研究所
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猪岡 伸一
東北大抗酸菌病研究所
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高世 幸弘
東北大学抗酸菌病研究所内科
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